研究課題
異種移植の開発に国産のCRISPR/Cas3法を検討している。既にCas9法でknockout(KO)経験のあるブタCMAHやb4GalNT2のKOと比較しながら、GalT(GGTA1)のKOをCas3法で進めた。まず、ブタでのgenome情報をもとにcrRNAをGGTA1の機能ドメインであるexon 9の上下に置いた(crRNA=#45と#86)。次に、4群、①群Control (No Cascade)、②群 Cascade+Cas3+#45、③群 Cascade+Cas3+#86、④群 Cascade+Cas3+#45+#86を置いた。<Cascade:pX-puro/Cascade (=bpNLS-Cascade)、Cas3:BPNLS-hCas3、crRNA=45:pBS-U6-crRNA=45、crRNA=86:pBS-U6-crRNA=86 >これらをブタ線維芽細胞に遺伝子導入を行い、48時間後の細胞を回収し、GSIB4を使ったFACS解析、およびゲノム抽出PCRにて解析した。FACSの結果としては、欠損は②群、④群で多くみられた。遺伝子変異に関しては、④群で一番多く認めた。より大きなサイズの変異はこの方法では確認できなかったが、CRISPR/Cas3によるKOでブタ線維芽細胞において確かな変異(del:294 – 754bp)が確認できた。次に、この④群 のCas3と#45-crRNA及び#8-crRNAをそれぞれpCXNに組み、pCXN/Cas3+#45-crRNA及びpCXN/Cas3+#45-crRNを作成し、これらを用いて、今度はブタ血管内皮細胞(SEC)に遺伝子導入を行い、SEC/GGTA1-KOの作出を試みた。同時にpCXN-GFPを導入し遺伝子効率を考慮しながら、再三に渡って試みるも、slectionに難渋しcloneの確立には至ってはいない。
3: やや遅れている
前年度と同じになるが、CRISPR/Cas3法のブタ細胞での困難性。遺伝子導入した結果として、小さなdelしか出来ないCas9法に比して、Cas3法では、多くの場合約300bp以上のdelが発生しており、細胞の核に対してもダメージを与えていることが考えられる。
CRISPR/Cas3法を継続し、ブタ細胞を使ってGGTA1遺伝子のKO細胞等を作出する。ブタ内在性レトロウイルス(PERV)を含む、他の遺伝子にも挑戦する。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)
Transpl Immunol.
巻: - ページ: -
10.1016/j.trim.2021.101497.
10.1016/j.trim.2022.101559
Frontiers in Immunol
10.3389/fimmu.2022.858604.
10.3389/fimmu.2022.860165.
10.1016/j.trim.2022.101663.
Exp Ther Med.
10.3892/etm.2022.11527.