研究課題/領域番号 |
21K19538
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 山梨大学 (2022-2023) 和歌山県立医科大学 (2021) |
研究代表者 |
鈴木 堅太郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20404345)
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研究分担者 |
木口 倫一 和歌山県立医科大学, 薬学部, 准教授 (90433341)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 性差 / アンドロゲン / アンドロゲンレセプター / 慢性疼痛 / 神経障害性疼痛 / ライブセルイメージング |
研究成果の概要 |
痛みの閾値には性差があり、慢性疼痛は性差を示す代表的な疾患である。これまでの科学研究は基礎・臨床ともに簡略化が優先され、男性(雄)を優先して推し進められてきた。その結果、女性における痛みの調節機構、慢性疼痛の分子基盤の理解は男性と比較して大きく遅れている。本研究は痛み制御に関わる細胞特異的なアンドロゲンレセプター(AR)ノックアウトマウスを作製し、坐骨神経結紮による神経障害性疼痛モデルの解析から、アンドロゲンシグナルが疼痛制御に関わる可能性を見出した。マウス脊髄組織を用いてRNA-seq 解析を行い、アンドロゲンの下流で機能する痛み制御因子を同定することができた。
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自由記述の分野 |
性差発生医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
女性は痛みに強いと一般的に言われているが、ヒトやマウスを用いた研究から、女性は男性よりも痛みに敏感であることが認識されつつある。真に男女が平等に活躍できる社会を実現するためには、女性の痛みの発症機序を理解し、性特異的な疼痛治療を確立することが不可欠である。本研究からアンドロゲンの有無もしくは量の違いが、慢性疼痛の性差を形成する基盤である可能性を示唆することができた。これまで雌におけるアンドロゲンの効果に注目した研究は少なく、本研究成果は従来の基礎医学・薬学研究に存在する雌雄間のエビデンスの偏りを是正する必要性を明確化し、性差を念頭に置いた研究の必要性を実証することができた。
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