研究課題/領域番号 |
21K19544
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
川原 幸一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10381170)
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研究分担者 |
三浦 直樹 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (80508036)
外波 弘之 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90420405)
伊藤 隆史 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (20381171)
八木下 尚子 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 講師 (40367389)
藤田 英俊 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90571802)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 敗血症 / ヒストン / ユビキチン / シノビオリン / フェノールポリマー / PROTAC |
研究実績の概要 |
PROTAC(proteolysis targeting chimera)とは、ユビキチンリガーゼに標的タンパク質をユビキチン化させ、プロテアソームで分解させる方法である。よって、ユビキチンリガーゼと標的タンパク質とを結びつけるキメラ化合物が必須である。キメラ化合物は、ユビキチンリガーゼと標的タンパク質のリガンドを結合させた小分子で、このキメラ化合物の作製は非常に困難である。それには親和性の高いリガンドが必要だからである。 この解決法に、フェノールモノマーをペルオキシダーゼ処理することで得られるフェノールポリマーライブラリー(フェノールポリマー法)よりキメラ化合物を作製した。ユビキチンリガーゼ・シノビオリン(SYVN1)とフェノールポリマーライブラリー法より、敗血症の原因分子ヒストン4種類(ヒストン群)とシノビオリンの高親和性のリガンドの単離と構造決定に挑んだ結果、一部のヒストンとシノビオリンとのが結合できうるキメラフェノールポリマーをファーウェスタン法にて見出した。なお、一部のヒストンはシノビオリンと直接結合し、ユビキチン化をin vitroでの可能性を示した。 以上のように、研究機関全体を通じて、新規PROTAC法、すなわち、フェノールポリマーを鋳型とするキメラ化合物を用いてヒストンとシノビオリンとの結合を本課題では証明できた。したがって、細胞傷害時に核より放出される際のヒストンの封じ込めの可能性が示唆された。
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