研究課題/領域番号 |
21K19557
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉崎 智一 金沢大学, 医学系, 教授 (70262582)
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研究分担者 |
近藤 悟 金沢大学, 附属病院, 講師 (70436822)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | ウイルス発癌 / Epstein-Barr ウイルス / ヒトパピローマウイルス / 細胞競合 |
研究成果の概要 |
上咽頭癌組織において、上咽頭癌細胞に対して非癌細胞がSparcを発現して抵抗していることを明らかにした。そして、EBV陽性上咽頭癌細胞株HK1-EBVは、EBV陰性上咽頭癌細胞株HK1との細胞競合現象によって排除されること、そしてレスベラドロール添加でHK1-EBVの排除が促進されることを明らかにした。さらにEBV遺伝子LMP1が細胞競合能に最も影響を与えること、LMP1発現細胞とLMP1非発現細胞における細胞競合おいてもレスベラドロールはLMP1非発現細胞の細胞競合能を強化することが判明した。
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自由記述の分野 |
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物発生学における細胞競合理論を癌生物学に応用が試みられてまだ日が浅い今日、EBV陽性上咽頭癌組織においても癌細胞と周辺細胞との間に細胞競合が生じていることを初めて解明した点で意義がある。さらに、がんという立場よりもEBV感染細胞と非感染細胞という視点からの細胞競合と捉え、細胞競合誘導機構としてEBV感染細胞から分泌されるエクソソームに内包される物質がその担い手であることを解明した点は独創性が高い。そして、抗酸化作用を有するレスベラトロール添加が勝者と敗者を逆転させることから、前癌病変の段階での発癌抑制に応用可能であることを明らかにした点で社会還元性が高い。
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