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2021 年度 実施状況報告書

好酸球に種類はあるのか

研究課題

研究課題/領域番号 21K19559
研究機関福井大学

研究代表者

藤枝 重治  福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (30238539)

研究分担者 木戸口 正典  福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (30880132)
野口 恵美子  筑波大学, 医学医療系, 教授 (40344882)
吉田 尚弘  自治医科大学, 医学部, 教授 (90291260)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
キーワード好酸球 / 鼻茸 / 好酸球性副鼻腔炎 / シングルセル解析
研究実績の概要

好酸球は酸性エオシンで顆粒が赤く染色される免疫担当細胞で、多くのアレルギー疾患の炎症部位に集積する。集積した好酸球は、慢性炎症やリモデリング形成において主要な役割を担っているとされる。好酸球の組織への影響は顆粒放出(脱顆粒)による細胞障害やエフェクター細胞として血小板、マスト細胞の活性化、また、次亜塩素酸を産生することで細菌や寄生虫の殺傷に寄与するなど多岐に渡る。さらに、好酸球はアポトーシスやネクローシスと異なるプログラム死、Etosis (extracellular trap cell death)で終えることが判明し、このEtosisがアレルギー炎症の増悪に関与していると考えられている。本研究では、組織に強い好酸球浸潤を起こしている好酸球と末梢血中の好酸球は同じであるのか、違った組織に浸潤している好酸球も同じであるのか、好酸球は単一でT細胞のように種類がないのかをSingle-cell RNA-seqを用いて明らかにする。
好酸球性副鼻腔炎患者の鼻茸と好酸球性副鼻腔炎に合併している好酸球性中耳炎患者の耳茸からそれぞれ好酸球を分離した。同時に末梢血単核球細胞から好酸球を分離し、single cell RNA-seqを行った。そして同一患者の鼻茸組織中好酸球、耳漏中好酸球、末梢血中好酸球を対象にそれぞれ解析し、比較した。56種の転写因子、Ikaros family membrane、好酸球の機能(細胞内顆粒)、生存、増殖、サイトカイン産生、ケモカイン産生、ETosis関連、不飽和脂肪酸代謝酵素産生、凝固系線溶系の関連遺伝子発現および細胞集団のheterogeneity等に違いがみられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

好酸球性副鼻腔炎患者6例の鼻茸と末梢血単核球細胞を用いてsingle cell RNA seqを実施し、好酸球を含む血球細胞の遺伝子発現データが得られている。血球分離の際の抗体染色条件を再検討し、効率よく分離することが可能となった。また血球分離の効率化により全体の実験時間短縮に成功し、死細胞の比率を減らすことが可能となった。同一患者における鼻茸中の好酸球と末梢血中の好酸球の遺伝子発現量やそのプロファイルについて解析を行っている。
また、好酸球性中耳炎患者の耳茸からのsingle cell RNA seqは共同研究機関である自治医科大学附属さいたま医療センターで採取予定である。本年度はそれぞれの施設にて倫理委員会の承認が得られた。対象となる好酸球性中耳炎患者の選定は完了し、耳茸組織からの好酸球分離に関する検体処理条件について検討している。

今後の研究の推進方策

好酸球性副鼻腔炎患者の鼻茸同様に好酸球性中耳炎患者の耳茸からも好酸球の分離を行いsingle cell RNA seqを行う。鼻茸、耳茸、およびそれぞれの末梢血から分離した好酸球を含む血球細胞の遺伝子発現について比較検討する。
得られたデータを現在詳細を見直し、validationを行う。

次年度使用額が生じた理由

single cell RNAseqはまとめて解析した方が安くつくので、これまでの試薬をまず使用し、次年度新しく購入して、残りのサンプルの解析を行う。

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公開日: 2022-12-28  

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