研究課題/領域番号 |
21K19573
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
楠原 義人 徳島大学, 病院, 助教 (40745684)
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研究分担者 |
岩佐 武 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (00707903)
上原 久典 徳島大学, 病院, 教授 (30263809)
大豆本 圭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (10745516)
福原 弥生 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 学術研究員 (10632490) [辞退]
渡邊 明子 徳島大学, 技術支援部蔵本技術部門, 技術員 (70898189)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | LED |
研究実績の概要 |
本研究ではLED照射による精子機能改善を目指す方法を確立することが目的である。LED照射により様々な細胞活性化が報告されており、その1つに精子も含まれ、これまでに畜産領域でLED照射による精子活性化がすでに実用化されており、ヒトでの報告はあまりされていない。LEDを用いた次世代「光」不妊治療の開発を行うために、まずLED照射による精子への影響を肉眼的、分子メカニズムの両視点からアプローチする方針で研究をすすめた。まず、LED波長による網羅的に距離による照射強度について測定機器を用いて評価した。LED照射のための暗室システムを構築し、一定の距離から網羅的なLED波長により、正常ボランティアの精液を用いた精液所見の変化を確認した。また精子の短期的な評価に加えて、数日間の長期的な影響を確認するために、精子培養の方法を確立した。精子培養はmHTF(アルブミン含有)を用いて3日間、運動率を保ったまま培養可能ということがわかった。現在、LED照射による精子への影響を短期的な影響と長期的な影響の両方で評価中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で、LEDを用いた次世代「光」不妊治療の開発のために、LED照射の条件設定、精液検査の適正な体制構築を行った。当院では実臨床では精液検査は目視で行っており、本研究の測定では当初目視での解析を行っていた。しかし、精液検査は同じ被験者でも日によりばらつきがある。さらに測定者でも軽度のばらつきがある。実験過程に時間を要することから、2021年度の途中から、自動解析器での精液評価に方向転換している状況である。少し実験計画が遅れているが、自動解析器である精子運動解析システム SMAS(Sperm Motility Analysis System)を導入しており、目視での評価と比べて今後、実験評価がより精度よく迅速に行えることができ、予定通りの計画を遂行できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、ディテクト社から販売している精子運動解析システム SMAS(Sperm Motility Analysis System)を導入し、精液検査システムを確立した。SMASは、不妊治療を行っているHigh volume centerでは広く実臨床で使用されており、科学的にも実用性に優れている。自動解析についてはAIを用いた自動解析機能が付属しており、本研究にあわせた、LED照射による精子運動への影響を確認していく予定である。SMASを用いたLED評価系を確立することで、今後の実臨床への応用が現実的になると考えられる。倫理委員会承認のもと、精索静脈瘤による精子運動率低下を認める患者での精子評価を行う予定である。
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