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2021 年度 実施状況報告書

鼻汁中分泌型細胞小胞を用いた呼吸器ウイルス感染重症化予測のための探索研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K19574
研究機関札幌医科大学

研究代表者

小笠原 徳子  札幌医科大学, 医学部, 講師 (00438061)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
キーワードRSウイルス / 初代培養細胞 / 分泌型細胞外小胞
研究実績の概要

分泌型細胞外小胞(extracellular vesicle; EV)は近年注目されている新しい細胞間情報伝達システムである。呼吸器ウイルス感染症に対する治療・迅速診断法の発達に伴い早期の重症度予測法確立の必要性が高まる中で、非侵襲的でかつ凝縮された情報を生体から得るために呼吸器感染性ウイルス感染時におけるEVの解析を行い、EV中に含有される様々な内容物が重症度特異的なバイオマーカーとして汎用し得るかどうか検討を行うことを着想した。本研究は(1) 呼吸器ウイルス感染時に誘導される特異的EV内容物を同定し、(2) 同定産物が重症化バイオマーカーとなりうるか機能解析を行い、(3) 鼻汁から疾患重症度・予後を予測するEV内容物を迅速に診断する方法を構築することを目的とする。
初年度は呼吸器感染性ウイルス感染時に誘導される特異的EV内容物を同定するための超免疫アフィニティ法について予備検討を行った。市販のキットではEV内容物のマーカーとして使用したCD9などがウエスタンブロット法で検出できなかったため、EVの濃縮や、精製方法についてさらなる検討を行った。初代培養小児咽頭扁桃上皮細胞にGFP-RSウイルスを感染させ、GFPの蛍光を指標に感染細胞と非感染細胞に分別し、RNAsequence解析を行った結果、感染細胞では分泌系タンパク質をコードする遺伝子や複数のmicroRNAを含むnon-codingRNAの発現上昇が見られた。そのため、初代細胞培養系において効率的な精製・濃縮方法を検討しながら初代培養細胞でのEVの指標となるマーカーを探索する方針とした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

挑戦的萌芽研究の採択開示が7月であり、その後コロナウイルス感染症の影響もあり、手術件数が少なく、初代培養細胞を用いた予備検討数が予定したよりすくなかったが、濃縮や抽出の方法についていくつか検討することができた。本年度は初代培養細胞に近い培養細胞(NHBE)を購入し、手術件数が少なくても予備検討ができるように手配する。

今後の研究の推進方策

本年度は初代培養細胞に近い培養細胞(NHBE)を購入し、手術件数が少なくても予備検討ができるように手配する。濃縮方法・EV抽出方法について検討した後に、内容物の網羅的解析を行う。現在、細胞培養液の上清液の超遠心後サンプルについてはじめに網羅的な解析を行う予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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