研究課題/領域番号 |
21K19577
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
松田 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00271164)
|
研究分担者 |
山本 健太 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (00636160)
新井 祐志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50347449)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
キーワード | 再生医療 / 骨疾患 / ダイレクト・リプログラミング |
研究実績の概要 |
骨粗鬆症や関節リウマチなどの骨吸収性疾患は、運動機能を著しく低下させて、健康寿命を短縮する疾患である。骨芽細胞は、骨形成を担い、骨組織再生に寄与する細胞である。そのため機能的な骨芽細胞を骨欠損部位に供給することが出来れば、失われた骨組織の再生を促進し、種々の骨吸収性疾患に対する効果的な治療法となり得る。 そこで、これまでに、我々は骨再生治療の実用化と普及のためには、高い効果に加えて安全、安価な新技術が必要とされるといった観点から、ダイレクト・リプログラミングによる骨芽細胞誘導を行ってきた。そして世界に先駆けてヒトの線維芽細胞からのin vitro ダイレクト・リプログラミングによる機能的な骨芽細胞誘導に成功してきている。 しかしながらこの方法では、細胞移植のための手術を要し、さらにCPCでの細胞培養と高度な品質管理が必要なために煩雑で長時間と高いコストを要する。そのため本研究では、骨芽細胞を生体内局所で直接誘導する技術(in situ ダイレクト・コンヴァージョン)を確立することを目的とした。すなわち、遺伝子導入ベクターを骨吸収病変局所に注射し、そこに存在する体細胞を直接、生体内局所で機能的な骨芽細胞に誘導し、骨組織を再生させるという戦略である。 本年度は、まず生体内で直接骨芽細胞を誘導するために必要となるベクターを作成した。in situダイレクト・コンヴァージョンに必要な転写因子のセットとレポーター遺伝子を組み込んだベクターを用いて種々の解析を行い、基本的なデータを得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in situダイレクト・コンヴァージョンに必要な転写因子のセットとレポーター遺伝子を組み込んだベクターを用いて種々の解析を行い、基本的なデータを得たので、おおむね当初の計画どおりの進捗である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は本年度の成果を生かしてさらに詳細な解析を進め、骨芽細胞へのダイレクト・コンヴァージョンをin vitroならびにin vivoで確認する予定である。
|