研究課題
これまでの口腔-腸管連関研究から,歯周病原細菌と大腸がんの関連が示唆されている.口腔細菌が腸管に異所性感染することで病原性を発現する病原性片利共生菌Pathobiontの検索を目的に,新潟大学医歯学総合病院消化器内科を受診し同意が得られた大腸ポリープ患者(計20名)を研究対象とした.口腔サンプルとして安静時唾液と歯肉縁下プラーク,腸管サンプルとして糞便(LAM)と内視鏡下における粘膜スワブ(MAM)を採取した.各サンプルからDNA抽出後,外部委託にて16srRNAアンプリコンシークエンスによる菌叢解析を実施し,各サンプルでのバイオインフォマティクス解析を行った.その結果,大腸がんに特徴的な菌の発見には至らなかったが,多くの口腔細菌が腸管に存在し,腸管粘膜表面の細菌叢に影響を与えている可能性が示唆された.