研究課題/領域番号 |
21K19606
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹下 徹 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50546471)
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研究分担者 |
森 康雄 九州大学, 大学病院, 助教 (90573345)
奥 菜央理 九州大学, 歯学研究院, 助教 (60898972)
古田 美智子 九州大学, 歯学研究院, 講師 (20509591)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 口腔常在微生物叢 / 舌苔 / 16S rRNA |
研究実績の概要 |
本年度は九州大学病院における造血細胞移植患者からの検体採取調査を開始した。まず本研究の計画を九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会に申請し実施許可を得た。研究分担者と採取に用いる器具の準備と配置について詳細な打ち合わせを行い、検体採取および採取した検体の保管方法を確認した。造血細胞移植を予定している患者から移植前の歯科受診時に研究参加への同意を得たのち舌中央部を擦過し舌苔検体を取得した。さらに移植前処置終了後造血細胞移植当日に同様の方法で舌苔擦過検体および舌苔スワブ検体および肛門スワブ検体を採取した。舌苔擦過検体および肛門スワブ検体から微生物群集DNAを抽出したのちPCR法を用いて細菌16S rRNA遺伝子V1-V2領域を網羅的に増幅し、次世代シーケンサーIon PGMを用いて塩基配列を決定した。取得した塩基配列のエラー補正を行ったのち口腔細菌データベースであるeHOMDに収載されている塩基配列に対し相同性検索を行い細菌構成を決定し、適切な検体が採取できていることを確認した。さらに細菌共通配列をプライマーとした定量PCR法を行い各検体の細菌量を測定した。舌苔スワブ検体は血液寒天培地、ブドウ球菌選択培地、薬剤耐性菌選択培地に塗布し菌体の取得を試みた。また過去の調査にて舌苔の採取を行った施設入所高齢者および在宅高齢者からADLの指標であるBarthel Indexが20を下回る要介護高齢者を選出し、対象者の16S rRNA遺伝子全長に基づく微生物叢構成解析を行う準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は倫理審査委員会の承認を取得するとともに検体採取調査を滞りなく行うことのできる態勢を構築し、実際に運用に問題がないことを確認できた。また採取した検体を従来の次世代シーケンサーを用いた手法で分析し適切な検体が取得できていることを確認できた。さらに脆弱高齢者調査についても遂行の目処が立った。新型コロナウイルス感染症が蔓延し厳しい感染防御対応が取られていた時期もあったことから当初の計画に比べると登録できた対象者の数は少ないものの、全体としては概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は造血細胞移植患者については対象者の登録と微生物叢解析を順次進めていく。また対象者の臨床的情報の取得とデータセットの構築を進める。脆弱高齢者の調査においては過去の調査で取得した検体の16S rRNA遺伝子全長に基づく微生物叢構成解析を遂行し、異常定着菌の特定を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象者の登録が当初の予定より少し遅れているため、検体が蓄積してから行うロングリードDNAシーケンサーでの塩基配列決定の受託解析に至らなかった。加えて参加を予定していた学会が新型コロナウイルス感染症の蔓延によりウェブ開催となり旅費の支出がなくなった。次年度は今年度の検体分と合わせてロングリードDNAシーケンサーでの受託解析を行い使用する予定である。
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