研究課題/領域番号 |
21K19608
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
友清 淳 九州大学, 大学病院, 講師 (20507777)
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研究分担者 |
前田 英史 九州大学, 歯学研究院, 教授 (10284514)
和田 尚久 九州大学, 大学病院, 教授 (60380466)
杉井 英樹 九州大学, 歯学研究院, 助教 (80802280)
吉田 晋一郎 九州大学, 大学病院, 助教 (30778866)
小幡 純子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (70759448)
糸山 知宏 九州大学, 大学病院, 助教 (50884433)
小野 太雅 九州大学, 大学病院, 助教 (90884734)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 歯周組織再生 / 神経堤細胞 / 歯根膜幹細胞 / 低分子化合物 / 賦活化 |
研究実績の概要 |
幹細胞は組織の再生に重要な役割を示すことが知られているが、その数は極めて少量である。申請者らは、歯根膜組織に存在する神経堤細胞(NC)を賦活化し歯根膜幹細胞(PDLSC)へと分化させ、歯根膜組織内のPDLSC数を増加させることで、歯周組織の再生を誘導するという、新しい歯周組織再生療法の開発を目指している。 これまでに申請者らは、HXCがNCからPDLSCへの分化を促進する働きを有することを明らかにしてきた。そこで低分子化合物スクリーニングを行い、HXCと同様にNCからPDLSCへの分化を促進する化合物の同定を試みた。スクリーニングの結果から、PDLSCのマーカーであるCOL1, FBN1, OPG, POSTNのうち、4種類の発現を上昇させるものを4化合物、3種類の発現を上昇させるものを3化合物同定した。さらに、PDLSCのマーカーとして、上述の4種類に加え、PLAP1, SCX, TNMD, aSMAの発現に関しても検証を行った。その結果、これらの候補化合物の中には、新たな4遺伝子発現も上昇させるものが含まれていた。現在候補化合物に関して、再現性を確かめると共に、濃度を変化させた場合のNCからPDLSCへの分化誘導効率について検証を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、HXCと類似の働きを示す164化合物を、神経堤細胞株であるSK-N-SHへと添加し、一定期間培養後に、COL1, FBN1, OPG, POSTNのPDLSCマーカー発現について解析を行った。その結果、4種類の発現を上昇させるものを4化合物、3種類の発現を上昇させるものを3化合物同定した。また、これらの化合物に対して、PLAP1, SCX, TNMD, aSMAのPDLSCマーカー発現に関しても検証を行った。その結果、これらの候補化合物の中には、新たな4遺伝子発現も上昇させるものが含まれていた。 2022年5月までに、候補化合物を様々な濃度にてSK-N-SHへと添加し、そのPDLSC分化誘導能について検証する計画であった。そのため、現在スクリーニングから得られた候補化合物を様々な濃度にてSK-N-SHへと添加し、培養を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
リード化合物のPDLSC分化誘導メカニズムを解析するため、シグナルに関して検索を進める計画である。また、候補化合物の結果から、より標的を徳的にコントロールする化合物の同定を試みる予定である。 有効と考えられる候補化合物が同定できれば、その化合物の毒性評価を進め、毒性が問題ないことを確認した上で、動物実験を行う計画である。動物実験には、我々の研究室で方法を確立ているラットを用いた歯周組織傷害モデルを使用し、歯周組織傷害部位へと候補化合物を添加する。一定期間後に、マイクロCT撮影や、免疫組織化学的染色などにより、歯周組織の再生能を評価する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
SK-N-SHに低分子化合物を添加した後に行う解析に関しては、器機および試薬が当教室に備え付けてあるもので遂行可能であったため、これらを購入する必要が無かった。また、コロナウィルス感染症の流行のため、旅費の使用が無かった。
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