研究課題/領域番号 |
21K19615
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
溝口 利英 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (90329475)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 破骨細胞 / 破骨細胞前駆細胞 / GST-RANKL / FACS / RANK |
研究実績の概要 |
破骨細胞は骨の維持に必須な細胞であるが、前駆細胞の動態については良くわかっていない。この理由として、分化がコミットした前駆細胞 (Committed破骨前駆細胞) が同定されておらず、その性状が未解明であることが挙げられる。その解析を困難にするその要因はCommitted破骨前駆細胞を同定するツールが乏しいためであった。破骨細胞前駆細胞は、RANKLの受容体であるRANKを発現する。我々は、ビオチン化したGST-RANKLを用いることにより、破骨細胞前駆細胞を含むRANK陽性画分を高感度で検出・回収する方法を考案した。今年度は、GST-RANKLを用いてマウス骨髄細胞の解析に取り組んだ。B細胞もRANKを発現している (J Immunol, 2012)。そこで、抗B220(B細胞マーカー)抗体とGST-RANKLを用いてFACSにて骨髄細胞を4つの画分(B220-/RANK-、B220-/RANK+、B220+/RANK-、B220+/RANK+)に分け、それぞれの画分におけるB細胞およびマクロファージマーカーの発現を調べた。その結果、B220+/RANK-とB220+/RANK+画分は、共にB細胞マーカーであるCD19の発現が高く、他の2画分での発現は認められなかった。一方、B220-/RANK-とB220-/RANK+画分では、マクロファージマーカーであるF4/80の発現が他の2画分と比較して高いことが分かった。今後は、マクロファージマーカーの発現が高いB220-/RANK-とB220-/RANK+画分に着目して性状解析を進め、破骨細胞前駆細胞の同定に取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GST-RANKLと抗B220抗体を用いて検出される骨髄の4画分の性状解析に取り組み、今後の破骨細胞前駆細胞の同定に繋がる成果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
GST-RANKLと抗B220抗体により得られた2つの画分(B220-/RANK-とB220-/RANK+画分)の破骨細胞分化をin vitro培養系により解析する。また、破骨細胞前駆細胞は血流にも含まれるので、GST-RANKLと抗B220抗体を用いた血液中の破骨細胞前駆細胞の性状解析も進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
骨組織の受託解析の納期が次年度になってしまったため。
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