研究課題/領域番号 |
21K19630
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
増島 麻里子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (40323414)
|
研究分担者 |
谷本 真理子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (70279834)
神津 三佳 千葉大学, 医学部附属病院, 副看護師長 (70400843)
土屋 雅子 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 研究員 (30756416)
関谷 昇 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (00323387)
竹内 公一 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80326842)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
キーワード | シティズンサイエンス / 死生観 / 看取り体験 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、市民がよりよく生きることを考える終生期対話の基盤づくりを目指し、①日本人の死に向き合うニーズと死生観の特徴、②市民の看取り体験から学ぶ要素、③死生観の涵養に向けた具体的な方略を、遺族や成人壮年期・高齢者を含む市民と、看護学・医学・心理学・社会学に関わる学際研究者が学術的に共同するCitizen Science (以下、シティズンサイエンス)の視点から探索し、最終的に市民が展開する「よりよく生きることを考える」プログラムを開発することである。プログラムは、遺族が他者に語り伝えたい体験を話し、聴き手は終生期を考える上での学びを肯定的にフィードバックすることで、双方が今後をよりよく生きることを考えられるような市民展開型のプログラム形成を目指す。 2021年9月にオンライン研究会議を開催し、市民参画者1名を含む研究者7名で研究計画の精練を行った。研究実施に向けた課題として、本研究で用いる用語の定義(市民、遺族)を研究者および研究対象者となる市民が理解しやすい表記とすること、遺族の選定基準の明確化、遺族に対するインタビューは否定的感情の想起や希望の喪失にもつながることから実施タイミングやリクルートを慎重に行うこと、第一段階の調査として成人期以降の遺族へのインタビュー調査に関わる倫理審査に向けた準備を進めていくこと等を合意した。また、当該インタビュー調査は、当初より2022年度前半の実施を計画していたことから、引き続き本調査に向けて研究計画を遂行する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、次年度実施予定のインタビュー調査の研究計画を精練することが目的であったことから、おおむね順調に計画が遂行している。用語の定義の検討を含めインタビュー調査計画を推敲し、対面での調査研究を計画していたが、2021年冬のCOVID-19による社会情勢から、対面での調査方法の確定と調査実施の見通しが不確定な状況が継続した。対象者のリクルートは、遺族会やネットワークサンプリングを想定しているが、オンラインインタビューが可能な市民20-30名のリクルート方法や対面における実施可能な調査方法を含め、再度検討中である。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、参画中の市民1名に加え、市民3-5名を加え、市民および学際研究者の意見を参考にしながら、COVID-19による社会情勢に柔軟に対応可能な遺族会やネットワークサンプリング方法を具体的に検討し、2021年度に引き続き、成人期以降の遺族20-30名へのインタビュー調査の遂行を検討する。実施完了は、当初より2022年度前半を目指していることから、2022年6月頃までに倫理審査を受けられるように研究計画を精練していく。 また、2022年度後半に予定していた第二段階の調査における看取り体験に関わる質問紙調査における調査方法とも併せ、2つの調査を併行して行えるようなリクルートおよび調査方法も包括的に継続検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では、研究計画段階から研究者以外の市民5名程度が研究協力者として研究組織に位置づけることを想定し、謝金額を相応に計上していた。しかし、COVID-19による社会情勢もあり、2021年度は市民1名のみ、かつオンライン会議であったため、謝金が計上できなかった。2022年度は、市民3-5名を研究組織に位置付け、謝金を確実に計上していく。
|