研究課題/領域番号 |
21K19645
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
川崎 裕美 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (90280180)
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研究分担者 |
山下 琴美 岡山大学, 保健学域, 助教 (00773053)
山崎 智子 (森脇智子) 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (20512510)
木内 良明 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (40214738)
柊中 智恵子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (60274726)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 視力 / 生活習慣 / 近視 / 子ども |
研究実績の概要 |
眼軸・屈折といった客観的視力検査と従来法の比較による学校視力検診のあり方の検討、および客観的視力検査による測定結果と児童の生活および成長との関連を明らかにし、遺伝を含む個人の体質に応じた視力を維持するための生活について、保護者とともに学ぶ保健指導方法を確立することを目的とする。 2年目である本年度は、昨年度の文献検討結果をとりまとめ学会発表した。既存研究の知見を取り入れ、小学生の日中の時間の使い方、学習状況に関する調査用紙を作成し、小学校、中学校において生活習慣調査を行った。2022年度もCOVID-19の感染防止対策が実施されており、保護者の不安も大きく、眼軸測定のための移動、病院の協力による検査の実施が困難であった。そこで代替案として、詳細な視力検査を実施し、視力低下と生活習慣の関連を検討した。さらに、COVID-19前とCOVID-19対策中の結果を比較した。 授業でのタブレットの使用時間は、対象とした学校では授業担当によって充分に管理されており、学校よりも自宅でのタブレット等の使用時間の制限に対する児童の関心が高かった。経年的な調査、2020年度と2022年度の小学校4年生の比較、では児童の視力に有意な違いはなかった。対象学校では、低学年の時にCOVID-19の感染防止対策中だった児童が特に視力低下が大きいとは判断されなかった。 今後は、感染防止対策が解除されることから、眼軸等の客観的視力検査を実施できるよう再度協力病院との調整、保護者理解・指導を進めるために、具体的な計画を立案する。また、過去の詳細視力検査のデータと現状の視力データを連結し、子どもの成長に伴う視力の経年変化と生活習慣について、解析を進める予定である。これらの計画によって、研究へのCOVID-19の影響を低減するよう努める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19による学校での感染防止対策によって、学外関係者の立ち入りが制限されたこと、測定協力病院への立ち入りの制限と病院への訪問に対する保護者の心情があり、眼軸等の測定が困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
日常生活の状況調査は、予定通り実施したため、詳細視力測定による視力と生活習慣との関連を詳細に分析する。さらに、これまでの調査によって、4年前の視力データが確保できたため、経年変化を分析することによって、研究目的の達成を試みる。引く続き、眼軸測定のための協力病院への調整、保護者依頼も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19によって調査が順延したため、調査のための旅費、人件費、学会発表の経費を繰り越した。次年度は調査を行い、取りまとめた結果を学会で発表する。発表の骨子をもとに論文作成し、投稿予定である。英語論文の校閲、掲載料を予定している。
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