SGLT2分子が脂肪組織の間質に存在する間葉系幹細胞(=脂肪前駆細胞)で発現しており、脂肪細胞への分化に伴ってその発現量が減少することを見出した。EAT検体から抽出した脂肪前駆細胞をSGLT2阻害薬投与下に分化させ、実験を行った(n=92)。Empagliflozinを投与しながら脂肪前駆細胞に分化誘導を行うと、脂肪分化に関わるPPARγやCABPAの発現に影響は無かったが、脂肪成熟マーカーであるFABP4は発現が低下し、形成される脂肪滴の量も減少した。また、いくつかの炎症性サイトカイン遺伝子についても抑制が見受けられ、共培養実験では傍分泌効果を介して与える心筋細胞の酸化ストレスが軽減された。
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