体内時計の環境シグナルは光であるが、美しい四季が存在するわが国においては、一年を 通じて日照時間が変化するだけでなく、環境温度も大きく変動する。多くの酵素反応の反応速度は温度により反応速度が大きく変化し、温度を10℃上昇させれば反応速度はおよそ2倍以上速くなる。わが国の気温の年較差は30℃にも及ぶ。体内時計が光で制御されることは周知のことであるが、申請者は、温度も体内時計の重要な制御因子であり、その制御が破綻するとメタボリック症候群が発症すると考えた。本研究の試みは、温度システム生物学の黎明期である現在において非常に挑戦的でると期待される。
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