研究課題/領域番号 |
21K19667
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
植野 さやか 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80848937)
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研究分担者 |
田村 和朗 近畿大学, 理工学部, 客員教授 (20278823)
赤木 究 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 科長(兼)部長 (30244114)
平沢 晃 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90296658)
吉田 玲子 (岩崎玲子) 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 講師 (10421166)
植木 有紗 公益財団法人がん研究会, 有明病院 臨床遺伝医療部, 部長 (60445319)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | オンライン診療 / 遺伝診療 |
研究実績の概要 |
本年度は研究代表者が試験的に4件のオンライン診療を実施した。診療から得られた情報を基に、「オンライン遺伝診療に対する意識調査」の準備及び、オンライン遺伝診療に用いるシステム・ツールの選定を主に行った。 <オンライン遺伝診療に対する意識調査の準備> 研究代表者が行ったオンライン遺伝診療の実施経験から、遺伝診療のオンライン化には3つのハードルが存在することが浮かび上がった。①受診するクライエント側のハードル、②提供する医療者個人のハードル、③提供する施設のハードルの3点である。当初は、クライエント側のハードルに焦点を当てていたが、提供する側の医療者及び施設のハードルも明らかにすることにより、より一層スムーズなオンライン診療の導入につながるものと考えられた。クライエントに対するアンケート調査に加えて、遺伝医療に携わる医療者側へのアンケート調査も実施することとした。本年度は調査票を作成し、研究実施機関の承認を取得した。2022年度から2023年度にかけて実施予定である。 <オンライン遺伝診療に用いるシステム・ツールの選定> 現在、複数のオンライン診療システムがある。遺伝診療では、疾患の発症リスク・遺伝形式の説明など、文書を用いた情報提供が必要な場面が多い。また、診療にはできるだけ家族や血縁者が同席することが望ましく、複数のクライエントとコミュニケーションを取る必要がある。一方で、医療者側も、さまざまな側面からクライエントに対応できるよう、医師のみならず遺伝カウンセラーや看護師など多職種が同席することが多い。このように、遺伝診療に特徴的な状況において、複数人を対象とした双方向性のコミュニケーションを可能にするには、音声や画像の鮮明さや雑音の除去など種々の要因を考慮する必要があることが明らかになった。2022年度以降、さらに検証を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度の目標としていた、アンケート調査の調査票作成が完了し、実施施設の研究実施承認が取得できている。当初予定していた、クライエントに対するアンケート調査だけでなく、医療者へのアンケート調査についても、調査票の作成及び実施承認を取得できている点は、当初の計画以上の進展と言える。また、今後、オンライン診療を通常の遺伝診療に取り入れていくための課題の一部を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度作成した調査票を基に、クライエント及び医療者に対してのアンケート調査を実施する。並行して、本年度に明らかになった、オンライン診療における双方向性のコミュニケーションを阻害する要因に対して、通信機器や通信システムの検証を行なっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響に伴い、学会がオンラインで開催されることが多くなり、また対面での研究打ち合わせが困難となったため、旅費として予定していた経費が削減された。一方で、当初、オンライン診療に用いる機器は既存の機器を用いることを想定していたが、本年度に行なった試験的実施の結果から、遺伝診療として十分に満足できるレベルのコミュニケーションを取るためには不十分な性能であると判断した。そのため、次年度で、診療として用いることが可能なレベルの機器を準備する予定とした。
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