研究課題/領域番号 |
21K19667
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
植野 さやか 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80848937)
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研究分担者 |
田村 和朗 近畿大学, 理工学部, 客員教授 (20278823)
赤木 究 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 科長(兼)診療部長 (30244114)
平沢 晃 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90296658)
吉田 玲子 (岩崎玲子) 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 講師 (10421166)
植木 有紗 公益財団法人がん研究会, 有明病院 臨床遺伝医療部, 部長 (60445319)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | オンライン診療 / 遺伝性腫瘍 |
研究実績の概要 |
本年度は「オンライン遺伝診療に対する意識調査」の実施及び集計・解析を主に行った。また、遺伝性腫瘍症候群の家系を対象に、血縁者の遺伝外来受診率の調査を行った。 <医療者側へのアンケート調査の実施>遺伝診療に関わる医療者として、当初予定していた認定遺伝カウンセラー・臨床遺伝専門医に加え、遺伝看護専門看護師・遺伝性腫瘍専門医を対象とし、無記名式のアンケート調査を実施した。1835名に送付し、925名の回答(回収率 50.4%)を得た。オンライン診療がまだ十分に普及していない現状を踏まえ、電話診療の経験についても情報を収集した。完全回答が得られた775件についての集計作業が終了している。回答者の27%は電話遺伝診療に、16%はオンライン遺伝診療に携わった経験があった。遺伝性腫瘍の診療に限定した場合、オンライン遺伝診療をすでに実施あるいは具体的に計画していると回答したのは10%にとどまり、遺伝診療の中でも他の領域と比較して腫瘍領域では、オンライン診療が普及していない状況が示唆された。 <遺伝診療を受けたクライエント側へのアンケート調査の実施>研究実施機関である、岡山大学病院・埼玉県立がんセンター・昭和大学病院・がん研有明病院・兵庫県立がんセンターを受診したクライエントを対象とした無記名式アンケート調査を開始した。2022年度中に240件の回答を得ている。本研究中での目標回答数は500件であり、2023年度も継続して回答を収集する。 <遺伝性腫瘍症候群の家系における血縁者の遺伝外来受診率>研究実施機関において、遺伝性腫瘍症候群家系と診断された家系を対象に、血縁者の遺伝外来受診率の調査を行った。遺伝外来へアクセスできていない血縁者の属性を明らかにすることにより、受診者のニーズに沿ったオンライン診療が具体化できると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、医療者側へのアンケート調査を実施し、当初想定していた回答数を上回る回答を得ることができた。遺伝診療を受けたクライエント側へのアンケート調査の進捗状況は、想定のペースで進められていると考えている。当初の予定に加えて、オンライン診療の潜在的ニーズを明らかにするための調査も行うことができている。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝診療を受けたクライエントに対してのアンケート調査を継続して実施する。医療者へのアンケート調査は完了しており、今後は集計・解析作業を進めていく。また、解析で得られた結果について、遺伝関連学会及びがん関連学会での発表を行なっていく。さらに、遺伝カウンセリングを実施している施設を対象に、ハード面でのオンライン診療体制についての情報収集を行なっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外学会発表が今年度に行えなかったが、次年度で発表予定としている。また、オンライン診療に用いる機器の選定を次年度も継続して行う予定としている。
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