研究課題/領域番号 |
21K19670
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
大久保 孝義 帝京大学, 医学部, 教授 (60344652)
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研究分担者 |
辰巳 友佳子 帝京大学, 医学部, 講師 (00757685)
佐藤 倫広 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (70717892)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 血糖持続モニタリング / 24時間血圧 / 高齢者 / 転倒 |
研究実績の概要 |
大迫研究対象者(岩手県花巻市大迫町住民)のうち、2022年度の対象地区でFreeStyleリブレPro(以下、リブレ)を用いてFlash glucose monitoringを実施した。家庭血圧測定を実施した142名の内、52名がリブレを10-14日間装着した。実施時期は6月下旬~7月上旬。52名中、1名のみデータが抽出できなかった。夏季で発汗による可能性が考えられたため、秋に再度実施し、データを抽出することができた。リブレ装着期間には起床・就寝時刻および主食を記録してもらった。2023年度以降も同検査を継続する予定であり、解析用データの整備、2023年度調査の準備を行っている。 佐久総合病院人間ドック科の経口ブドウ糖負荷試験のデータを用いて血糖変動に関する分析を行った。対象者は2009年から2019年に糖負荷試験を受けた7495名。糖負荷試験中の血糖値(負荷前の空腹時血糖値、負荷30分後、60分後、120分後血糖値)は、負荷30分後もしくは60分後にピークとなる単峰性のカーブを呈する者が大多数であるが、ピークであるはずのその2時点の血糖値が負荷前の空腹時血糖値を下回る者がいる。この特殊な血糖変動をする物の特徴を探索的に検討した。横断的に検討した結果、30分後の血糖値が低くなるものは2-3%存在し、年齢が若い、女性、Body mass indexが低い、インスリン分泌能が高い、高血圧治療者が少ない、脂質異常症治療者が少ないなどの特徴があることが分かった。再現性の確認のため、次の人間ドック受診時(受診間隔の中央値:366日)の糖負荷試験結果も分析したところ、同様の血糖変動を呈した者は19.4%にとどまった。さらに、約6年糖尿病発症を追跡したところ、糖尿病を発症した者はいなかった。以上より、健康度の高い集団において血糖変動を測定する際には、糖負荷後もしくは食後に必ずしも血糖値が上昇しない者がいることを認識する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に予定していた連続血糖測定を新型コロナの影響で延期したが、大迫研究の主要調査の予定に合わせて実施する必要があるため、延期分を2022年にまとめて実施することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
連続血糖測定実施者数を増やすため、2023年度以降も調査を継続する。データが蓄積されれば家庭血圧測定の結果と突合し、統計分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの流行に伴い、調査時期をずらす必要があったため。
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