研究課題/領域番号 |
21K19674
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
松永 佳子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70341245)
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研究分担者 |
日紫喜 光良 東邦大学, 理学部, 准教授 (30324271)
野呂瀬 崇彦 帝京大学, 薬学部, 教授 (30433452)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | プレコンセプションケア / 薬剤師 / 養護教諭 / 研修会 |
研究実績の概要 |
2022年度は、2021年度に実施した一般市民・薬剤師対象のプレコンセプションケア(以下PCC)に関するWeb調査結果に基づき1.薬剤師と養護教諭を対象にeラーニングプログラムの構築とワークショップの開催、2.PCCを啓発するためのリーフレットとカードの作成、3.PCCに関連する情報提供を目的としたホームページを作成した。 eラーニングはプレコンセプションケアとは、月経と月経に関わる疾患、子宮頸がん検診、HPVワクチン、性感染症、避妊法、緊急避妊薬、妊娠の成り立ち等で構成する10講座6時間の動画プログラムをGoogle Classroom上にeラーニングを構築した。助産師、SRSHに関する活動をしている薬剤師が講師を務めた。講座ごとに小テストを作成し知識の定着について確認をした。機縁法で募った薬剤師7名、養護教諭5名が2023年1月から3月にかけて受講した。回答者全員が、視聴覚教材、資料の活用、わかりやすさ、各講座のねらいの理解についていずれも「そう思う」、PCCに関する理解が「深まった」と回答した。また、PCCを普及していきたいと全員が回答した。 2023年3月に、薬剤師7名、養護教諭5名、助産師3名を参加者として2時間のオンラインワークショップを実施した。ワークショップはミニレクチャー(薬局におけるPCC実践例、婦人科の受診の仕方、地域の助産師について)および、ジグソー法を活用したグループディスカッション(1.職場でできることと課題、2.職種間でできる協働、3.実装に向けて実践すること)、の2部構成とした。グループディスカッションでは、参加メンバーの職種間の理解・連携の重要性や、地域の保健センター、SNSの活用等のアイディアが共有された。リーフレットの活用等のハード面だけでなく、他職種の役割の理解を含めた職種間連携の場づくりなどのソフト面の重要性が提起された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
22022年度は、薬局、中学校でのプレコンセプションケア(以下PCC)の啓発活動の実施準備を行った。当初の計画通り2021年度のWeb調査結果に基づく薬剤師と養護教諭を対象とした研修会の実施、また、2023年度に向けて研修会に参加した薬剤師と養護教諭にPCCを啓発するためのリーフレット、カードの配布依頼の協力依頼を行った。7名の薬剤師(4つの薬局に勤務)4つの公立中学校の養護教諭から研究協力を得ることができた。また、PCCを啓発するために、リーフレット及びカードを手にした対象者が閲覧できるホームページを作成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
薬局および中学校をハブとしたプレコンセプションケア(以下PCC)の啓発活動を行う(松永・日紫喜・野呂瀬)。2022年度に開催した研修会に参加した薬剤師と養護教諭の協力を得て、各々の職場にてPCCが必要とされる者に2022年度に作成したリーフレットおよびカードの配布を行ってもらう。リーフレットあるいはカードを手にした者に2022年度に作成したホームページにアクセスし必要な情報を得てもらう。同時にホームページにアクセスした者が助産師、産婦人科医に相談したいと思った際に相談できるシステムを構築する(松永・日紫喜・野呂瀬)。相談はメールあるいはオンラインで行う準備をする。PCCの啓発という特徴から緊急を要する相談を想定せず月に1回程度のオンライン相談を予定している。 ホームページにアクセスしてくれた者、また調査会社を通じて募ったモニターに対して、Webアンケートによりホームページの評価を行う。また、相談に対する満足度についてもインタビュー調査を行い、ホームページと相談が一体化しているモデルの評価を行う。研修会の内容、その評価については第64回日本母性衛生学会(松永・日紫喜・野呂瀬)、第33回International Confederation of Midwives(ICM)バリ(松永)で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ホームページ、リーフレットおよびカードの作成に時間を要した。その結果、左記の費用の支払いが2023年度に持ち越されることになった。
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