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2021 年度 実施状況報告書

COVID-19感染防止対策に伴う大気環境の改善が健康に及ぼす短期的・長期的影響

研究課題

研究課題/領域番号 21K19680
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

島 正之  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40226197)

研究分担者 蓮沼 英樹  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40891263)
余田 佳子  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (80748434)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
キーワード微小粒子状物質 / 光化学オキシダント / 気管支喘息 / COVID-19
研究実績の概要

大気中微小粒子状物質(PM2.5)の健康影響が国際的に懸念されている。わが国のPM2.5濃度は近年低下傾向であるが、2021年9月に世界保健機関(WHO)は大気質に係るガイドラインを改訂し、日本の水準よりも低いPM2.5であっても健康影響のリスクがあるとしている。また、大気中の光化学オキシダント(Ox)は地球温暖化等の影響により増大傾向であり、その影響も懸念されている。このように、大気中には様々な汚染物質が存在しているため、疫学研究では各汚染物質単独の影響を評価することは難しい。しかし、2020年はCOVID-19感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出など、感染防止のために社会経済活動が制限された結果、大気中PM2.5濃度が低下した一方、Ox濃度は不変という特殊な大気環境の変化が生じた。こうした条件下で、兵庫県姫路市内の46医療機関から長期にわたって報告・蓄積されている1週間毎の気管支喘息発作に関するデータを活用して、PM2.5及びOxが喘息発作に与える短期的・長期的影響を検討することを目的とする。
本年度は、2018年度から2020年度までの3年間の姫路市における1週間毎の喘息発作数を収集し、性、年齢、居住地区(8地区)別に整理を行った。年間の発作数は、2018年度は15,752件、2019年度は14,638件であったが、2020年度は11,036件と大幅に減少していた。特にCOVID-19感染拡大のみられた2020年3月以降の減少が顕著であった。同期間中の大気汚染物質濃度は、市内11か所の大気測定局(PM2.5は7局、Oxは9局で測定)における測定結果を収集し、各地区における1週間毎のPM2.5及びOx濃度を算出し、喘息発作との関連を検討した。さらに、同期間中の気温、湿度、気圧等の気象因子についても収集し、整理を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

解析に必要なデータが収集できており、解析を実施するためのデータベースの構築を進めることができた。

今後の研究の推進方策

これまでに得られたデータに加えて、2021年度の喘息発作、大気汚染、気象データについても収集して整理を行い、大気環境と喘息との関連性についての総合的な解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

2021年度はデータ収集を中心としたために必要経費が少額となった。次年度は大気環境測定に加えて、データの解析、学会発表、論文執筆、投稿を進める予定であり、これらの経費に充当する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Estimating monthly concentrations of ambient key air pollutants in Japan during 2010?2015 for a national-scale birth cohort2021

    • 著者名/発表者名
      Araki Shin、Hasunuma Hideki、Yamamoto Kouhei、Shima Masayuki、Michikawa Takehiro、Nitta Hiroshi、Nakayama Shoji F.、Yamazaki Shin
    • 雑誌名

      Environmental Pollution

      巻: 284 ページ: 117483~117483

    • DOI

      10.1016/j.envpol.2021.117483

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 過去12ヵ月喘鳴に関連する危険因子 2016年姫路市小学新入生アレルギー調査から2021

    • 著者名/発表者名
      黒坂文武, 清水滋太, 西川実徳, 寺田邦彦, 小川晃弘, 山田 琢, 神吉直宙, 松浦伸郎, 磯川利夫, 島 正之
    • 雑誌名

      日本小児アレルギー学会誌

      巻: 35 ページ: 101~108

    • DOI

      10.3388/jspaci.35.101

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 社会小児科学 アレルギーと環境との関係を見直す2021

    • 著者名/発表者名
      島 正之
    • 雑誌名

      小児科

      巻: 62 ページ: 486~493

    • DOI

      10.18888/sh.0000001722

    • 査読あり
  • [学会発表] 大気汚染による健康影響の歴史と現状2022

    • 著者名/発表者名
      島 正之
    • 学会等名
      第92回日本衛生学会学術総会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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