研究課題/領域番号 |
21K19693
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安藤 恵子 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (40221741)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | サルコペニア / 線虫 |
研究実績の概要 |
サルコペニアは多くの高齢者で発症する加齢性筋減弱症である。サルコペニアは高齢者のQOLと健康寿命を低下させる主因であるが、筋萎縮の根本的な原因はいまだに不明である。本研究では寿命が短く老化研究に適した線虫を用いてサルコペニア関連遺伝子の新規動物モデルを開発し筋萎縮のメカニズムを明らかにすることを目的とする。 近年、筋細胞におけるオートファジーの機能低下が筋萎縮に強く関連していることが示唆されており、特にリソソームを介したオートファジー(マクロオートファジー)の役割が注目されている。今年度は加齢筋の細胞内ホメオスタシスにおけるリソソームの役割を明らかにするため、リソソーム膜の融合に関わるVPS遺伝子に着目し動物モデルの開発を進めた。VPS変異体と線虫ミオシンがGFPで標識されたトランスジェニック体を交配し遺伝子改変動物を作成した。次いで加齢に伴う筋サルコメア(筋の収縮装置)の構造変化と運動能の解析を行った。加齢筋ではミトコンドリアの断片化が観察されるが、VPS変異とミトコンドリア断片化の関連についても検討した。 サルコペニアは加齢性の一次性サルコペニアと加齢以外の原因で発症する二次性サルコペニアに分けられいずれも筋萎縮が生じる。一次性サルコペニアと二次性サルコペニアの筋萎縮のメカニズムを比較するため、シナプス小胞と神経前終末の膜融合の異常により神経伝達が遮断された変異体を用いて廃用性筋萎縮の動物モデルを開発した。これらの動物モデルで詳細な解析が進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GFPトランスジェニック系統を用いて筋の構造と筋の老化の定量的解析法を構築した。また、サルコペニアにおけるリソソーム関連遺伝子の役割を明らかにするため遺伝子改変動物モデルを構築し解析が順調に進んでいる。廃用性筋萎縮の動物モデルの開発も順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
カルシウムイメージング法を用いて細胞内のカルシウム動態を可視化し、サルコペニア動物における筋機能について検討する。筋の老化を予防あるいは緩和する化合物を迅速にスクリーニングする方法を検討し、サルコペニア創薬への応用研究への展開を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
加齢筋の構造的異常に加えて線虫トラッキングシステムを用いた筋機能の生理学的解析を行う予定であったがトラッキングシステムのメンテナンスが翌年度に延期されたため次年度使用額が生じた。本研究で開発した動物モデルを用いてより詳細な表現型解析を行うため動物飼育関連費、生体イメージング関連の消耗品費として使用する計画である。
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