研究課題/領域番号 |
21K19695
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
浅井 武 筑波大学, 体育系(名誉教授), 名誉教授 (00167868)
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研究分担者 |
洪 性賛 筑波大学, 体育系, 研究員 (10638547) [辞退]
中山 雅雄 筑波大学, 体育系, 教授 (70217941)
丸山 剛生 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 准教授 (90181833)
中村 純 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (30130876)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | コロナ / 空気 / エアロゾル / ウイルス / 流体 / 可視化 / 暴露リスク |
研究実績の概要 |
本研究では、移動型フルスケールマネキンと粒子追跡流速測定システムを用いて、対面通過時における呼気(噴流)由来のエアロゾル粒子の流れ場を可視化、計測し、ウイルス暴露リスクを検討した。換気あり条件では、歩行速度時(5 km/h)のピークエアロゾル粒子数は、他の移動速度の場合よりも大きくなっているものの、換気なしの場合の約55%以下となっていた。また、エアロゾル粒子数はピーク後に急激に減少し、約50個以下の低値に留まっていた。これは、本実験における換気あり条件では、定常的な換気によりエアロゾル粒子が拡散されるため、ピークエアロゾル粒子数の通過速度に対する依存性は低下し、ピーク後のエアロゾル粒子数も、急激に減少すると推測された。このことから、換気あり条件においても、ウイルス暴露リスクが最も高まるのは、対面通過後5秒以内であるが、通過後の暴露リスクは、換気による拡散効果により、換気なし条件よりも大幅に減少すると考えられた。以上のことから、歩行やジョギング等の対面通過時におけるウイルス暴露リスクは、通過後5秒以内にピークがあり、その後、後流の拡散により、急激にリスクは減少することが示唆された。対面時の咳飛沫沈着量は、咳噴射口前方60㎝、下方30㎝が最も多く、90%以上の飛沫が前方90㎝以内に沈着するとされている。従って、対面通過時には5秒間のリスクヘッジを考慮し、進行方向の横方向にコースを移動する、風上側を通る、吸気を中断する、相手から1m以上の物理的距離をおく、等により、ウイルス暴露リスクは大幅に減少すると考えられる。換気がある場合においても、屋外での大型イベント等、人が密集する場面での感染事例の報告があることから、対面通過時における5秒間リスクヘッジ効果は有効であり、屋外での運動時においても、同様にウイルス暴露リスクを、大幅に減少させる可能性があると思われる。
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