研究課題/領域番号 |
21K19716
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
異島 優 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 准教授 (00457590)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | アルブミン / 超硫黄 / 酸化ストレス / 未病マーカー / 腎疾患 / 肝疾患 |
研究実績の概要 |
健康科学の領域において、あらゆる疾患に対する予防医学の発展は極めて重要な課題である。炎症疾患や癌、動脈硬化、虚血性疾患などの多くの疾患は、酸化ストレスと密接に関わっており、酸化ストレスに対する生体恒常性維持機構の破綻がこれら酸化ストレス関連疾患の発症に繋がると理解されている。そのため、この恒常性維持機構の抗酸化防御力(=未病マーカー)が測定できれば、これら疾患の発症予防や早期発見に繋がるが、これまでにそのような疾患横断的な未病マーカーの報告は皆無である。そこで、本研究では世界初の疾患横断的な未病マーカーの開発に挑戦すべく、未病マーカーとしてのアルブミン結合型硫黄分子に着目し、検討を行った。 その結果、アルブミン結合型硫黄分子は、健常人では高い濃度に維持されているものの、病態発症あるいは、病態の進展に依存して、低値を示すことが明らかとなった。加えて、アルブミン結合型硫黄分子は、酸化ストレスに応じて、抗酸化力を示すことも明らかとすることができた。また、アルブミン結合型硫黄分子の測定法として、Elimination Method of Sulfide from Polysulfide(EMSP)法に加え、蛍光プローブ法やMS解析を用いて、アルブミンに結合している硫黄分子がどのCys残基に結合しているのかまで捉えることができるようになった。 これらのことから、未病マーカーとしてのアルブミン結合型硫黄分子としての可能性が深まったと考えている。今後は、人間ドック受診者の検体を用いて、疾患横断的な『未病マーカー』の可能性を評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定であった「人間ドック受診者のサンプルを収集し、アルブミン結合型硫黄分子の定量を行い、各パラメータとの相関関係、未病マーカーとしての妥当性を統計学的に検証する」という部分に関して、検体数の確保に予想以上に時間を要したことから、予定より遅れを生じている。一方で、アルブミン結合型硫黄分子の定量に関して、Elimination Method of Sulfide from Polysulfide(EMSP)法を基軸に、蛍光プローブやMS解析での検討が非常に効率よく測定できることが判明し、総じて「おおむね順調に進展している。」とした。
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今後の研究の推進方策 |
未病マーカーとしてのアルブミン結合型硫黄分子の妥当性評価のため、肝炎患者等の酸化ストレス関連疾患の初期病態患者サンプルさらには、人間ドック受診者のサンプルを収集し、アルブミン結合型硫黄分子の定量を行い、各パラメータとの相関関係、未病マーカーとしての妥当性を統計学的に検証する。蛍光プローブ法やMS解析でも並行して評価を進め、最適な測定法の確立を目指す。
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