研究課題/領域番号 |
21K19721
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
馬場 理也 熊本大学, 病院, 助教 (10347304)
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研究分担者 |
有馬 勇一郎 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特任准教授 (60706414)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 腎発生 / 胎生期 / 栄養状態 |
研究成果の概要 |
本研究は、母体からの栄養が胎児の腎発生に与える影響を明らかにし、健全な腎発生促進に寄与する事を目的とする。このために、ネフロン前駆細胞特異的な栄養感知機構異常マウス(FlcnKOマウス)及び、妊娠母マウスの栄養制限による低出生体重モデルを用いて研究を進めた。低出生体重P0マウスでは糸球体数が減少しており、ヒトでの報告を裏付ける結果が得られた。FlcnKO P0マウスでは、ネフロン前駆細胞の減少とボウマン嚢の拡張、ヘンレの係蹄の異常が認められた。また、FlcnKOマウスの腎臓では栄養応答性転写因子Tfe3が核内に局在しており、Tfe3の異常な活性化が腎発生の異常に寄与している可能性が考えられた。
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自由記述の分野 |
泌尿器科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎臓の機能単位であるネフロンは再生することがなく生理的な加齢と共に減少していく。その為、生涯にわたり腎臓の機能を良好に維持する為には、充分な数のネフロンを持った健全な腎臓を胎生期に形成する事が不可欠である。大規模な疫学調査により、胎生期における母体の低栄養が子供のネフロン数の減少と高い相関関係にあることが明らかにされており、胎生期の栄養と腎臓の発生の間には深い関係があることが示唆されてきた。母体の栄養制限で新生児のネフロン数が減少し、胎児の栄養感知機構のノックアウトがネフロン前駆細胞の減少を引き起こす事を見出した本研究は、母体からの栄養が胎児の腎発生に与える影響を明らかにする足がかりとなる。
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