研究課題
挑戦的研究(萌芽)
申請者は、「インスリンは骨格筋細胞でも産生・分泌されている」ことを発見している。そのため、マウスには2つあるインスリン遺伝子を、骨格筋細胞で破壊して機能不全とすることを目的とした。レンチウイルスあるいはアデノ随伴べクターによって、CRISPER-Cas9法を用いてノックダウンしたが、様々な改良を加えたものの、いずれのベクターの感染効率は低かった。そこで、siRNAによるノックダウンを試みたところ、高効率のゲノム編集が可能となった。
運動分子生物学
申請者はこれまでに、骨格筋から分泌されるホルモンの網羅的探索を進めてきた。その過程で、インスリンが骨格筋でも産生・分泌されている証拠を複数得た。骨格筋が、膵臓から分泌されるインスリンの単なる受け手ではなく、自身でもインスリンを産生・分泌しているとなれば、これまでの加齢性筋萎縮成立機序とその予防・治療法の常識は覆される。そこで本研究では、「骨格筋から分泌されるインスリンの変調がサルコペニアを誘起する」という仮説を検証することを目的とした。