研究課題/領域番号 |
21K19734
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤井 進也 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 准教授 (40773817)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 音楽 / 感動 / 音楽演奏 / 心拍 / 同調 / ライヴ / 現地 / 遠隔 |
研究成果の概要 |
本研究では、ライヴ音楽演奏における表現者と鑑賞者の心の動きの時間的同調性を明らかにすること目的として、アコースティック弾き語り形式の音楽ライブ実験を実施し、現地・遠隔会場における鑑賞者の心拍数と主観的な感動度および演奏者の心拍数を計測評価した。実験の結果、音楽ライヴの演奏者―鑑賞者間の心拍数については時間的同調性がみられない一方で、演奏者の心拍数と鑑賞者の主観的感動度には時間的同調性がみられることが明らかとなった。これらの結果から、表現者の心拍反応は、鑑賞者の心拍反応と必ずしも時間的に同調しないが、鑑賞者の主観的感動度は、表現者に生じる心拍反応と時間的に同調する可能性が示唆される。
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自由記述の分野 |
音楽神経科科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感動は一度性や主観性、個人差に満ちた現象であり、客観性や再現性を求める科学的なアプローチでその仕組みを解明することは困難とされてきた。アーティストと研究者とで力を合わせ音楽ライブ実験を実施し、実環境での演奏者と鑑賞者の心理生理反応の時間的同調性を明らかにした本研究は、実験室環境にとどまらない実環境における感動現象に科学的に迫った点で意義がある。これまでの科学的なアプローチの限界を超え、感動とは何かという多くの人々が不思議に思う問いに迫り、実環境におけるヒトの情動反応の計測評価アプローチを開拓・提案した点で、本研究は学術的・社会的に意義ある研究であると考える。
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