今後の研究の推進方策 |
2023年度は以下の3点を中心に研究を進める。 1骨格筋分化におけるNsmafの役割:NsmafがTNFαシグナルを介して筋分化を制御することを直接的に証明するためにC2C12筋芽細胞に対して直接TNFαを添加することにより分化抑制を促す。その際にNsmafをノックダウンすることでTNFαシグナルを抑制し筋分化抑制を解除することが可能かを検証する。TNFα添加抑制のポジティブコントロールとしてTNFα中和抗体を添加しその効果を比較する。さらに2022年度にて自作した抗体によりNsmafタンパク質の定量を実施し2023年度内にNsmafに関する研究全体を総括することとする。 2 骨格筋分化におけるFoxo6の役割:2022年度における検討の結果、複数のsiRNAにてFoxo6はノックダウンされかつ筋分化を抑制することを見出した。本年度はこの観察を実験的に証明するために筋分化因子(MyoD, myogenin, MRF4, myomixer, myomaker)やミオシン重鎖などをウエスタンブロット法によって分析する。筋たんぱく質合成量の分析にはピューロマイシン取り込み量から推定するSunSET法を用いる。予想通りの結果が得られたら次は筋萎縮モデル系を用いて萎縮した筋におけるFoxo6の発現量などの検討を進める。 3 機械学習による培養骨格筋スクリーニング法の確立:これまでの成果の蓄積によって筋形態制御に強い影響を与え、そのキャラクターが確立されているNsmaf、Foxo6のRNA干渉による微分干渉観察画像、筋分化マーカーによる染色像、筋タンパク質合成亢進時に膿染するピューロマイシン染色の教師画像をPCに機械学習させる。その後微分干渉像のみから筋分化促進あるいは筋タンパク質合成亢進を判断可能な機械学習を構築することで、ハイスループットな探索的RNA干渉系の確立を目指す。
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