研究課題/領域番号 |
21K19739
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
三浦 哲都 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (80723668)
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研究分担者 |
佐藤 菜穂子 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 准教授 (70581510)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | ダンス / 創造性 / 質的研究 / 運動の典型性 |
研究実績の概要 |
これまでの身体運動科学では、目標となる動作からの誤差を定量化することで、運動学習の過程を記述してきた。しかしながらこの方法論では、目標となる動作が設定されない状況での運動学習過程を科学することができない。たとえば、ストリートダンスではオリジナリティが求められるため、上達過程における「正解」を設定できない場合がある。この問題を解決するため、本研究では新しく運動が創造されていく過程を記述する方法論を開発することを目的とした。 本研究ではストリートダンスを題材として扱うために、2022年度はストリートダンスの上達過程に関する質的調査を行った。先行研究では、ストリートダンス初心者は初心者らしい知覚運動協調パターンを示すが、熟練者はそこから自由になっていることが示唆されている。つまり、ストリートダンスにおける上達は「初心者らしさからどれだけ逸脱できるか」という程度によって定量化できる可能性がある。一方で熟練者は、単に初心者らしさから逸脱しているだけではなく、ある種の「熟練者らしさ」を持ち合わせている。これらの「初心者らしさ」「熟練者らしさ」を探索する前に、ストリートダンス熟練者は、これらをどのように捉えているのかを調査した。ストリートダンスの世界チャンピオンを含む、国際大会出場レベルのダンサーにインタビューを行った結果、「身体の軸」「リズム」「音楽性」などに、ある種の熟練者らしさがあることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、昨年度に引き続きコロナ渦により動作計測実験を思うように行うことができなかった。しかし、研究実績の概要に示した通り、ストリートダンスの熟練者に対する質的研究をZoomを用いて進めることができた。これにより、次年度の分析の視点を整理することができた。以上より、進捗状況はやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、動作計測実験を中心に行うことを予定している。コロナ渦の状況に応じて、十分なデータを計測できない場合には、研究計画を見直し、既存のデータや公開されている運動データを用いて研究を進める。得られたデータを分析する際には、2022年度に行ったストリートダンス熟練者の質的研究により得られた分析の視点を取り入れる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は、昨年度に引き続きコロナ渦により動作計測実験を思うように行うことができなかった。そのため、実験参加者および実験補助者へ支払う予定であった予算が残った。繰り越した予算および2023年度に請求した予算は、主に動作計測実験の謝礼金として用いる予定である。
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