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2022 年度 実施状況報告書

腸内細菌叢データを活用した女性アスリートの月経周期とコンディション対策への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 21K19747
研究機関川崎医療福祉大学

研究代表者

松生 香里  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (60513570)

研究分担者 須永 美歌子  日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (70534064)
後藤 一成  立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60508258)
森山 進一郎  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60386307)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード腸内細菌叢 / 月経周期 / エネルギー代謝 / 耳管温 / パフォーマンス
研究実績の概要

女性アスリートの月経周期に伴うコンディションの変調は、パフォーマンス低下に影響をもたらす。特に、月経前には心身の不安定が生じる月経前症候群とよばれる症状を呈する 選手も多く、ホルモンのバランス変化や体温や体重の変化等として現れ、女性アスリートのパフォーマンス低下の要因になることが多い。また、女性アスリートの中には、心身の変調と同調するように、月経前・月経中に排便状態が変化する選手がみられる。
本研究では、月経周期に関わる腸内細菌と生理学的因子との関連を調べ、腸内環境を基にした女性アスリートのコンディショニング方法の確立を目的として研究を遂行している。2022年度は、定期的に運動を実施している健康成人女性を対象として、月経周期の各フェーズ(月経期・卵胞期・黄体期)における有酸素運動時の代謝変化と深部体温の上昇変化がと最大無酸素性パフォーマンスに及ぼす影響について調べた。その結果、月経周期における最大無酸素性パフォーマンスの影響は認められなかったものの、黄体期において有酸素運動中の耳管温が低いことが明らかとなった。また、便形状調査において、月経周期によって変化が見られた。
これらのことから、運動パフォーマンス発揮に至るまでのウォーミングアップ時間や強度を変化させることによって、より効果的なパフォーマンス発揮への可能性が考えられた。今後は、月経周期における腸内細菌叢と運動中の体温上昇変化の関連を明確化する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症対策にて制限が多い中での研究となったが、初年度には研究倫理委員会の承認を経て研究をスタートしているものの、感染症対策による研究遂行に困難を要した。
また、研究の対象者が女性であることから月経周期の把握については、研究協力者・研究分担者との連携は、オンラインでの情報共有を通じて意見交換をしながら進めてきた。
コロナ感染症予防対策として、実験実施は全体的にやや遅れが生じているが、月経周期の各フェーズ(月経期・卵胞期・黄体期)における運動時のパフォーマンスの測定、腸内細菌叢解析用のサンプルも揃いつつある。

今後の研究の推進方策

月経周期が腸内細菌叢の変化に関連している可能性から、女性アスリートのパフォーマンス発揮に至るまでのコンディション対策に着手すべく、月経周期における生理学的指標の変調から腸内細菌叢が変化する現象とその要因を調べている。今年度は、女性アスリートの月経周期に伴う体調変化が、排便状態や腸内細菌叢の変化と連動して、パフォーマンスに影響する可能性を明確化し、月経周期における腸内細菌叢と運動中の体温上昇変化の関連を分析する。さらに、月経周期によって、運動パフォーマンスの低下を抑制するための一資料として現場への還元を目指す。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルス感染症対策によって研究遂行が遅れている影響から、腸内細菌叢解析の外注委託が2023年度となったため、分析・解析費用が次年度使用額として計上されている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 月経周期における安静時体温と最大無酸素性パフォーマンスに関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      中村莉緒、大山睦子、松生香里
    • 雑誌名

      教育支援協働学研究

      巻: 5 ページ: 90-95

    • 査読あり
  • [学会発表] 月経周期にともなう運動パフォーマンスと筋線維タイプの関係2023

    • 著者名/発表者名
      大山睦子、中村莉緒、松生香里
    • 学会等名
      日本陸上競技学会 第21回大会
  • [学会発表] 月経周期における腸内環境変化が 尿中I-FABPとパフォーマンス発揮におよぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      松生香里、中村莉緒、須永美歌子、能瀬さやか、山澤文裕
    • 学会等名
      第33回 日本臨床スポーツ医学会学術集会
  • [学会発表] 月経周期における有酸素運動時のエネルギー代謝動態と腸内環境変化の関係2022

    • 著者名/発表者名
      松生香里、前岡優里、中村莉緒、須永美歌子、後藤一成
    • 学会等名
      第77回 日本体力医学会大会
  • [学会発表] 月経周期における有酸素運動時の深部体温変化と最大無酸素性パワーの関係2022

    • 著者名/発表者名
      中村莉緒、前岡優里、矢野博巳、松生香里
    • 学会等名
      第77回 日本体力医学会大会
  • [学会発表] 月経周期における一過性有酸素運動時のエネルギー基質と便形状変化の関連2022

    • 著者名/発表者名
      前岡優里、中村莉緒、大山睦子、松生香里
    • 学会等名
      第35回 日本トレーニング科学会大会
  • [学会発表] 月経周期における有酸素運動時の深部体温変化と最大無酸素性パワーの関係2022

    • 著者名/発表者名
      中村莉緒、大山睦子、前岡優里、松生香里
    • 学会等名
      第35回 日本トレーニング科学会大会

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公開日: 2023-12-25  

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