研究課題/領域番号 |
21K19757
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
海老原 格 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80581602)
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研究分担者 |
若槻 尚斗 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40294433)
水谷 孝一 筑波大学, システム情報系, 研究員 (50241790)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 音響測位 / マルチパス / ドップラー |
研究実績の概要 |
○残響・ドップラー対応モデムの創成:スピーカ-マイクロフォン間の距離を計測するための信号,および,通信データを時間-周波数空間にマッピングして送信し,残響・ドップラーを受信機側で精度良く計測し,その情報を活用することで,安定したデータ伝送と測距が可能な通信方式を設計した.さらに,それをモデムとして実装し,屋内空間における測距実験を実施した.その結果,提案したモデムは,残響・ドップラーの発生する条件下においても,スピーカ-マイクロフォン間の距離をセンチメートルオーダの精度で計測できることを実証した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,スピーカ-マイクロフォン間の距離を計測するための信号,および,通信データを時間-周波数空間にマッピングして送信し,残響・ドップラーを受信機側で精度良く計測し,その情報を活用することで,安定したデータ伝送と測距が可能な通信方式を設計し,モデムとして実装した.さらに,その性能を屋内空間における実験で評価した.
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今後の研究の推進方策 |
残響・ドップラーの発生する条件下において,スピーカ-マイクロフォン間の距離を精度良く計測できることが明らかになった.今後は,複数の距離を計測し,三角測量の原理に基づいて位置を測定する仕組みに発展させる.そして,屋内における移動体の測位実験を実施していく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では,残響・ドップラーの精度精度が,測位精度を決定づける鍵となる.当初の計画では,複数の信号処理方式の有効性を実験で明らかにする予定であったが,新型コロナウイルスの感染拡大の影響で実験を行うための時間に制約が発生した.そこで,計算機シミュレーションを用いて各信号処理方式の性能を事前に検討した上で,実験を実施するなど,状況に応じて研究費を執行した.そのため,当初の見込み額と執行額は異なったが,研究計画に変更はなく,前年度の研究費も含め,当初予定通りの計画を進めていく.
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