研究課題
1 残響・ドップラー対応モデムの創成:スピーカ-マイクロフォン間の距離を計測するための信号,および,通信データを時間-周波数空間にマッピングして送信し,残響・ドップラーを受信機側で精度良く計測し,その情報を活用することで,安定したデータ伝送と測距が可能な通信方式を設計した.さらに,それをモデムとして実装し,屋内空間における測距実験を実施した.その結果,提案したモデムは,残響・ドップラーの発生する条件下においても,スピーカ-マイクロフォン間の距離をセンチメートルオーダの精度で計測できることを実証した.2 通信環境の計測とパラメータ設計:移動体の測位を想定し,受信機が0.2~0.3 m/sで移動する動的環境下における通信路の遅延広がりとドップラー広がりを実験で計測した.そして,観測された通信路の遅延広がりとドップラー広がりを利用して,既存の放送機器やスマートフォンが有する周波数帯域を考慮に入れながら,前年度に構築した残響・ドップラー対応音響モデムにおける信号の最適パラメータ(搬送波周波数,帯域幅,ガードバンド等)を設計した.3 残響・ドップラー対応音響モデムの性能評価:前記で設計したパラメータを用いて,残響・ドップラー対応モデムの性能を,シミュレーションおよび実験で評価した.周期的なM系列信号を送受信することで距離を推定する信号処理方式をベンチマークとして選定した.その結果,受信機が0.2~0.3 m/sで移動する環境において,提案した残響・ドップラー対応モデムは,受信信号の信号電力対雑音電力比(Signal-to-noise ratio; SNR)が低下しても,ベンチマークを上回る10mmオーダの精度で送受信機間の距離が推定できること,SNRが大きければ等化後のビット誤り率が0になることが明らかになった.さらに,この技術を用いて測位実験を行い,提案手法の有効性を確認した.
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