研究実績の概要 |
本研究では,シーンに様々な方向から光を照射したときの反射光をカメラで捉えることによって,そのシーンにおける光の伝播経路や強度を示す情報を獲得する.更に,得られた情報をより詳細に解析することによって,シーンの構造や光学席性質を推定し,様々な分野への応用を目指す. 本年度は,シーンの動的光伝播の計測に使用するイベントカメラにおいて,その光学・撮像系を数理モデル化に取り組んだ.従来法では100倍以上のサンプルから得られた輝度値の差分に基づくイベント推定と同等のイベント映像を得られた.本研究成果は情報処理学会CGVI研究会にて発表し,優秀研究発表賞および学生発表賞を受賞した. また,イベントカメラとプロジェクタからなる光学システムの幾何学的な校正を行うことを目的として,イベントデータの極性情報を用いたパターン光を分離を行う手法を提案した.イベントカメラとプロジェクタを校正するためには, 平面の映像表示装置としてディスプレイを用いることが一般的である.そこで,イベントカメラのイベント極性がそれぞれ反対のイベントが高密度あるいは低密度に発生するように輝度値を時間変調させることで,密度差を利用して2つのパターン光がどちらのデバイス由来の光なのか区別する手法を提案し,これにより,従来では困難だった同期を行なっていない2種類のデバイス由来のパターン光を利用したイベントカメラ・プロジェクターシステムの校正が可能となった.本研究成果は情報処理学会CVIM研究会で研究発表を行った.
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