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2021 年度 実施状況報告書

人間行動認識のためのRotation-invariant加速度センサの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K19804
研究機関立命館大学

研究代表者

村尾 和哉  立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (50609295)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワードウェアラブルコンピュータ / 人間行動認識 / センサ情報処理 / センシング
研究実績の概要

種々のセンサを搭載したスマートフォンや腕輪型デバイスの普及により,時間や場所を問わず人間の行動や状況をセンシングして加速度データを収集できるようになった.しかし,ポケットの中などで端末が自由に回転すると端末の座標系とユーザの座標系が一致せず,加速度値を解析して得られるユーザの移動量や活動量,機械学習による動作認識に誤差や誤認識が生じる.本研究ではセンサを周期的に回転させてセンサデバイスの絶対位置を取得し,センサ値と比較することでセンサの位置ずれ量を推定し自動補正するRotation-invariant加速度センサを開発することを目標とする.具体的な機構として(a)リング状に回る,(b)一か所で回転する,の2種類を試みる.(a)は腕輪型デバイスのバンド部に中空のリングを搭載し,リング内をカプセルで保護されたセンサが気体,液体,電磁力,モータなどの力を用いて移動し,腕の回りを回転する.例えば電磁力を使う具体的実装として,リングを導電性素材のコイルで作成してコイル内に磁界を発生させ,磁石を内蔵したセンサをコイル内に置くと磁界から磁石が力を受け,一方向に移動してリング内を回転し続けることを確認している.(b)は端末内に固定されたカプセルを搭載し,カプセル中でセンサが磁力やモータなどによって3軸方向に均等に回転する.1軸のみであればモータの回転部にセンサを搭載すれば実現できる.デバイス自身がセンサを動かしているためセンサのデバイス内絶対位置が取得できるという点がこの手法の核である.

提案する加速度センサは(1)回転する機構をもつセンサの実装,(2)ずれ量の推定およびセンサ値の補正,(3)行動認識への適用,から構成される.2021年度は通信,電力,動力に関する技術の調査および開発環境構築を行い,1軸のみの回転機構を有するセンサから取り組み,ずれ量の推定およびセンサ値の補正を行うハードウェアの設計を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

モバイル・ウェアラブル端末による人間行動解析の実現には加速度を用いるアプローチがもっとも有効かつ有用である.しかしながら,端末がポケットやカバンの中で動くとセンサの座標系とユーザの座標系が一致せず,取得された加速度値が地球の重力由来の静加速度か,人間の動作由来の動加速度か区別できず,加速度値を解析して得られるユーザの移動量や活動量,機械学習による動作認識に誤差や誤認識が生じる.本研究では端末の回転ずれを自動補正可能なRotation-invariant(回転非依存)加速度センサを開発することを目標としている.

2021年度は通信,電力,動力に関する技術の調査および開発環境構築を行い,1軸のみの回転機構を有するセンサから取り組み,ずれ量の推定およびセンサ値の補正を行うハードウェアの設計を行った.このことから,本研究課題はおおむね順調に進展しているといえる.

今後の研究の推進方策

2022年度は複数軸の回転機構に取り組む.性能試験を経て,ハードウェアおよびソフトウェアのデバッグ及び改良を行う.目標とするRotation-invariant加速度センサβ版は2022年度末までに完成させる.2023年度は開発した加速度センサを用いて行動認識システムを構築し,行動認識精度の観点から性能評価を行う.結果をもとにハードウェアおよびソフトウェアの改良を行い,本研究を完了する.

次年度使用額が生じた理由

装着具を生成可能な3Dプリンタの選定に時間を要したため2022年度に購入する.また,生成物の3Dモデルをデザインするモデリング用パソコン1台,および生成した装着具を用いたセンサデータ収集解析用ノートパソコン1台の納期に時間を要することが判明したため2022年度に購入する.

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公開日: 2022-12-28  

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