研究課題/領域番号 |
21K19806
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研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
外山 茂浩 長岡工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (60342507)
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研究分担者 |
大森 理聡 長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (30707386)
土田 泰子 長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (30455125)
山岸 真幸 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (10342479)
和久井 直樹 長岡工業高等専門学校, 電気電子システム工学科, 助教 (80786038)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 理容技術 / 技術伝承 |
研究実績の概要 |
超高齢社会を迎えた我が国では、理容業界は理容師人口の減少、後継者不足など人材確保・育成が課題であり、有効な理容技術伝承方法の確立が急務である。その鍵を握るのは、理容師の脳内に構築・保持されているであろう頭部形状認識と毛髪伸長モデルである。具体的には、理容師は、理髪前に頭部を触る事で被理髪者の頭部形状の把握、凹凸認知を行なっている。また、理髪時には数ヶ月後の髪の伸び方を予測し切髪を行なっている。本研究では、理髪技術者が保持する頭部形状認識と毛髪伸長モデルを可視化し、効果的な理容技術伝承へと応用することを目的とする。 そのために、まず本研究では、理髪技術者の頭部形状認識技術を可視化するための頭部形状測定方法について検討を行った。関連研究を調査したところ、化粧品選択等に利用する顔形状測定方法と比較して、頭部形状測定方法に関する研究は数少ないことが明らかとなった。3次元コンテンツ制作に利用するために人の顔や頭部の3次元形状計測への需要が拡大しているものの、一様な質感が広範囲に広がっている毛髪が計測に影響を与えるためである。そこで、本研究においては、3Dスキャナを活用した2種類の測定方法を検討した。一つは、頭部の表面形状を雄型に写し取り、そこから頭部表面形状のコピーである型を作り出す石膏型取り法である。作り出された型をスキャンすることで3Dデータ化する。もう一つは、水泳競技用のメッシュキャップ等により毛髪を圧迫し、毛髪の影響の低減を図る測定方法である。キャップを被った被験者の頭部を直接スキャンすることで3Dデータ化する。それらの測定方法の基本的な妥当性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度は頭部形状を測定する2種類の方法について検討を行った。ただし、検討を行った2種類の測定方法それぞれに、作業の容易さ、コストの観点からメリット、デメリットがあり、理容現場における現実的な測定手順を確定するには至らなかったため、現在の進捗状況を「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)理容現場における現実的な測定手順を考慮した頭部形状測定方法の確立 3Dスキャナを活用した2種類の測定方法(石膏型取り法、キャップによる頭部直接法)に対して、作業の容易さ、コストの観点からメリット、デメリットがあるので、理容現場における現実的な測定手順について確立を進める。 (2)理容技術者の毛髪特性認識能力の可視化 理容技術者の毛髪特性認識能力を可視化するために、まずは毛髪情報(毛根の向き、毛髪の太さ、流れ等)を定義し、(1)で測定した頭部形状に紐づける。次に分担者が所有するTobii Pro 2グラス等を活用した理容技術者の視線計測により、個別に異なる毛髪の生え方、癖毛などボリューム把握の様子を分析する。その結果として、理容技術者の脳内に存在する毛髪伸長モデルを評価し、毛髪特性認識能力の可視化を狙う。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は「頭部形状の測定方法確立」が達成できなかったので、繰り越し金額5万円を令和4年度当初の研究計画としている「頭部形状の測定方法確立」の費用として活用する。
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