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2021 年度 実施状況報告書

価値観の共有における教師あり学習と教師なし学習の役割

研究課題

研究課題/領域番号 21K19810
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

鹿内 友美  国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 訪問研究員 (40783527)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード経験知 / 教師あり学習 / 教師なし学習 / 経済ゲーム
研究実績の概要

価値観は、多くは国や地域・会社など、集団で共有される。本研究では、自身の経験を積み重ねる教師なし学習と、先輩など周囲の人から教わる教師あり学習が、それぞれ個人の価値観の獲得にどのように影響するのかを検証する。また、集団内での価値観の共有がどのように個人および集団の利得を変化させるのかを検証する。価値観のような経験知に関する実験的研究は、個人を対象にしたものが多く、集団内での価値の共有を実験的・数理的に取り組んだ例はない。ウェブ実験と数理モデルによる効率的な実験設計を組み合わせることで、これまで検証されてこなかった個人の最適性と集団での最適性が関わりあう状況下での価値観の共有に取り組む。
本研究では、集団内で価値観が獲得・伝搬される過程を観察するために、非明示なルールに則った価値の評価や、集団内での価値評価の一貫性が報酬最大化に繋がる経済ゲームを提案する。接続された個人同士は互いに価値判断の結果を共有する。それにより、ルールを熟知した人の判断が周囲へと伝搬していくと考えられる。この過程をオンライン実験で観察、また、自身の経験からの教師なし学習と隣接すする他者の価値判断を教師信号とする教師あり学習を両立する価値観獲得の数理モデルを考案する。数理モデルを用いたシミュレーションにより、価値観の伝搬に有利/不利なネットワーク構造などを検証する。シミュレーションの結果を、ネットワーク構造を操作するオンライン実験で検証する。
初年度は、ウェブ実験のための準備を進めた。具体的には、関連文献の情報収集を進め、実験デザインの具体化、また、倫理申請のための準備を進めてきた。特に、実験データの解析方法をよく定めてから実験を実施することで、効率的なデータ収集が可能となるため、解析の点まで見通した形での実験となるよう、検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度は、ウェブ実験のための環境整備、オンライン実験の試作プログラムの作成などを予定していた。しかしながら、以下の2つの理由により、環境整備および実験プログラムの作成両面について遅れが生じた。
1つ目は、申請者の研究環境の変化である。実験を実施するには、所属機関に申請することで倫理委員会からの承認を得る必要がある。しかしながら、申請者の所属が年度末で切り替わることが決まっていたため、現所属において申請を進めたとしても、来年度以降のデータ収集に支障が生じる一方、新しい所属先では所属がない段階では申請が困難である。また、計測したデータの移動についても別途手続きが必要となり、煩雑になるため、データの収集は来年度以降に移動先にて行うものとした。2つ目は、関連研究の文献調査および、実験デザインの考案に想定以上の時間がかかったことにある。特に、実験デザインによっては、実験参加者がランダムに近い行動を取るようになるなど、目的のデータを一切収集できない事態にも繋がりかねないため、検討を進めた。

今後の研究の推進方策

今後は、初年度に検討を進めたことを活かし、実験プログラムを完成させる。この際、実験プログラミングを担当するアルバイトの雇用、また、ウェブ実験に実績のある業者への委託を検討する。オンライン実験を実施し、データを収集する。その過程で、実験デザインを修正していく。

次年度使用額が生じた理由

申請者の所属機関変更が見込まれていたため、倫理申請やデータの取扱の煩雑さを考慮して、初年度での実験を見送り、実験実施を次年度へと先送りしたため、実験にかかる費用が次年度にかかることとなったため。

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公開日: 2022-12-28  

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