研究課題/領域番号 |
21K19815
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
イン ベイウェン 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (90422401)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 細胞培養 / 機械学習 / 培地 / ビッグデータ / 細胞増殖 |
研究実績の概要 |
本研究は網羅的実験により、「環境情報-細胞動態」のデータベースの構築および機械学習による培養・培地条件の予測モデルの開発を目指している。実験科学と情報科学に両面において、方法論の確立・開発が必要である。具体的には、1)実験系の確立、2)データの蓄積、3)学習プログラムの開発、4)検証の4項目がある。2021年度は1)と3)について下記通りの成果が得られている。 1)実験系を確立した。①細胞種類の決定:複数培養細胞を検討し、最終的に浮遊型のHelaを研究対象として選定した。②培養と計測方法の確立:培養スケール、容器、培養条件、計測手法などの一連を細かく検討し、ハイスループットで実験データを取得する方法を確立した。これらにより、細胞培養の数値化と高速にデータ取得が可能となり、機械学習が適用できるようになった。③培地構成成分の決定:細胞培養に使用する培地は、市販品ではなく、単一化学組成から混ぜ合わせることにより、オリジナルの培地組み合わせを用意した。まず、細胞培養に関する論文と培地製造情報から、細胞培養に使われる単一成分を洗い出し、それぞれの濃度範囲を検討し決定した。これらの成分の組み合わせ方法を決め、実験の準備を完了した。 3)学習プログラムの開発を実施した。培養細胞のデータ数がまだ少ないことから、これまでに蓄積してきた微生物細胞の培養データを用いて、学習モデルの検討を行った。複数の学習アルゴリズムとそれらの組合せを検討し、予測精度を評価した。また、様々な細胞と多様な培養目的に適用する汎用性の高い方法論を考案し、関連する内容を特許や論文として出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画の通りに、問題なく研究が進められており、研究成果(特許2件の新規申請)が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、1)実験系の確立、2)データの蓄積、3)学習プログラムの開発、4)検証の4項目に構成されている。2021年度では1)実験系の確立を完了し、3)学習プログラムの開発を検討した。引き続き、2022年度では2)データの蓄積を実施し、得られた実験データを3)学習プログラムの開発に用いて、培養細胞を対象とする学習モデルの構築を行う。
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