研究課題/領域番号 |
21K19820
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
石垣 陽 電気通信大学, 国際社会実装センター, 特任教授 (50723350)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 行動変容 / 社会合意形成 / データに基づく政策 / ガイドライン / ガイドブック / エアロゾル感染 / 感染症対策 / マイクロ飛沫 |
研究実績の概要 |
感染症クラスターの発生リスクが高まるような文化芸術活動において、運営者と観客が満足する形で適切な空気調和を実現するための、これまで実現できなかった効果的な環境測定~情報提示方法を確立ことを目的に、エアロゾル感染リスクの測定・分析システムの開発研究とフィールド実証を行った。 開発提言したCO2センサ・サービスは実製品として複数社会実装された。また、35の音楽公演(ライブ)において感染リスクの可視化を行った結果、ライブ中のCO2濃度可視化にういて、98%の参加者が「とても安心できる」「安心できる」と回答(N=61)するなど、エンタテイメントシーンにおける実効性を評価することができた。さらに研究成果は『ライブホール、ライブハウスにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン』(令和2年6月13日策定)に反映された。CO2測定を通じた換気対策の有効性については学術誌やメディアにも数多く取り上げられた他、CO2センサに関する経済産業省のガイドライン策定や、京都府発刊のエアロゾル感染対策ガイドブックの作成にも寄与するなど、科研費の研究成果を広く社会に浸透させることができたといえる。 派生して、X線検診車の換気改善や、老健におけるクラスターの原因特定にも寄与することができ、社会貢献的側面での成果展開を得ることもできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
世間からの関心が高い分野であったため、本件科研費研究に対して多くの取材依頼や、共同研究の依頼を受けることができた。その結果、エンタテイメントシーンにおける新しいメガホンの開発に関する基礎研究や、論文寄稿、招待講演、学会発表の依頼等を頂くことができ、結果として研究成果を迅速に学会・学術誌等に公開することができたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの類変更や世界的な関心の弱まりとは裏腹に、医療機関や福祉機関(例:高齢者施設、障がい者施設等)におけるクラスターは引き続き多く発生しており、これらの施設において感染対策への警戒心は引き続き高い。 エッセンシャルワーカーや入居者・患者の安心安全のためにも、本研究を医療福祉関係分野に応用しながら、リスク対策によるコストとメリットのバランスのとれたエアロゾル感染対策を立案し、そのための技術・学術的な問題解決に挑みたい。 そのための準備段階として現在、行政と連携しながら病院・障がい者・高齢者施設におけるフィールドワークと、クラスター再発予防のための現地立ち入り調査を進めている。
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