研究実績の概要 |
本研究課題では,バイオ医療画像解析分野において,ある特定のデータセット(ソースドメイン)で学習したモデルが他の条件下で撮影されたデータセット(ターゲットドメイン)では上手く機能しないというドメインシフト問題を解決することを目的とする. 本年度は,病理画像におけるセグメンテーションタスクを例として,主に2つのテーマで研究開発を進めた.1)クラスインバランスなデータセットに対するドメイン適応手法を提案した.クラス間のデータ比率情報を用いてクラスタリングを行い,そのクラスタリング結果を元にドメイン適応を行うことにより,従来のドメイン適応手法より高精度な分類を実現した.2)ターゲットドメインにおいて,なるべく少量のデータに対して追加でアノテーションを行うという問題設定において,ドメイン適応の学習に効率的なデータを選ぶための指標を提案した.具体的には,1つのデータが持つ特徴の多様性を評価する指標を提案し,一つのデータがなるべくターゲットドメイン全体の特徴分布をカバーする画像を選ぶことで,ドメイン適応を効率的に行う.実データを用いた実験において,提案した指標が高い値を取るデータを教師として用いた方が高精度であることを示した. その結果,これらの研究成果が,ISBI2023(Google Scholar ランキング Medical Imaging Top16, h5-index:55)に2本,WACV2022に1本(Google Scholar ランキング Computer Vision Top9, h5-index:76)1本に採択された.また,国内会議において,計3本の発表を行った.
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