本研究では、生命の共通祖先以前のアミノ酸セットで機能するタンパク質について、祖先タンパク質の配列を情報学的手法で推定し、また、このようなタンパク質を生物実験で評価した。古典的な祖先配列推定法と、残基間相互作用を考慮した変分オートエンコーダーを組み合わせることで、より活性の高い祖先配列を特定することが可能であることが示された。さらに、16種のアミノ酸で構成されたタンパク質の進化を模倣する実験も行い、新しい活性を持つ変異体を得る可能性を示した。この研究は、タンパク質の起源を理解するための新たな情報科学的手法の導入だけでなく、産業応用可能なタンパク質を創出する基盤ともなる。
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