研究課題/領域番号 |
21K19832
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
下田 真吾 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (20415186)
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研究分担者 |
島津 智一 埼玉医科大学, 医学部, 客員講師 (10322413)
安 ち 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (70747873)
岡島 正太郎 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (90846544)
上田 彩子 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (40582416)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 筋活動 / 片頭痛 / 神経系 |
研究実績の概要 |
本研究では,筋活動を「神経系の窓」として利用する可能性を探ることを目的とした.筋活動は,筋電位信号(EMG)として日常動作の中でも計測可能な数少ない生体信号であり,また我々の動きや感覚,情動や思考までを途切れることなく制御する神経系の,最終出力の一つである.そのため筋活動を,日常生活の中で神経活動状態を推定し,モニターするための「神経系の窓」として活用できる可能性があると考えた. 神経系の窓としての意義を見出す対象として,初めに神経系疾患の一つである片頭痛を対象とし,日常生活の中で頸部の筋活動のWearableセンサを構築し,数週間に渡る筋活動データの取得取得し,そのデータから片頭痛発作の起きやすい状態を見極めることを進めた.20名の片頭痛患者を対象に計測を進め,筋活動の振幅と周波数の比を取ることで,片頭痛の発作の起こりやすさを定量化可能であることが分かってきた.一般的に筋電位の振幅があげれば筋出力が上がっていることを意味しており,その際速筋の活動が活発になりEMGの周波数は上昇することが知られている.その一方で,片頭痛になりやすい状態の際は遅筋の活動が多くなってくることが示されており,振幅と周波数の比を取ることで,遅筋と速筋の比を定量化することができていると考えている.その一方,乾式電極で日常生活の筋電位を取ることの難しさも明らかになった. その後,片頭痛治療のための鍼治療の前後やパーキンソン病等の別の神経系疾患の筋活動計測を行い,筋活動計測から様々な神経系疾患の早期発見や病状の定量化などに有用である可能性が示唆されてきた.
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