マイクロ波および高周波を用いたポリエチレンイミンなどの高分子CO2吸収剤のCO2脱離挙動を調べた。高分子吸収剤の分子量に応じた複素誘電率測定、およびCO2吸収量を定量的に評価し、最適な高分子構造を明らかにした。さらに、高分子CO2吸収剤の水溶液を用いて、マイクロ波によってCO2の脱離が加速されることを確認し、本課題において提案した二酸化炭素吸収剤の誘電特性に基づいたマイクロ波吸収性の調節と、マイクロ波による二酸化炭素回収性の向上を達成した。本結果をもとに、今後、さらにマイクロ波吸収性の低いシリカ系担体への担持を進めて、固体二酸化炭素吸収剤のマイクロ波加熱による、低消費エネルギーでのCO2回収技術の確立につなげる。特に、水溶液系では水のマイクロ波吸収や潜熱による影響が大きいと考えられ、固体化によるマイクロ波加熱効率の向上が期待される。
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