研究課題/領域番号 |
21K19865
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高井 敦史 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (30598347)
|
研究分担者 |
勝見 武 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (60233764)
加藤 智大 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (80943612)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
キーワード | 災害廃棄物処理 / 土砂混合廃棄物 / 分別土砂 / 粘着性・付着性 / 再資源化 / リサイクル / 選別 |
研究実績の概要 |
本研究では、多様な材料で構成される災害廃棄物を模擬的に作製し、特に分別工程に焦点を当て、室内分別試験により土と廃棄物の付着性およびそのメカニズムを明らかにする。 令和3年度は、別の研究プロジェクトで実施した実機試験と室内試験を対比することを目的に、木チップと土砂を混合して作製した模擬可燃系混合物を対象に、振動式と回転式のふるいを用いて分級効率を検討した。実験の結果から、含水比が増加するにつれて土の団粒化が促進されるが、ある閾値を超えると土の流動性が高くなるため土砂分の剥離が進み、土砂のふるい通過分が増加に転じること、その傾向は実機試験と室内試験のいずれにおいても確認され、定性的には一致していたこと、改質材を用いることで土の剥離は促進されるが土に混入する微細な木片が増える傾向にあり利活用を阻害する可能性があること、ふるい目の大きさを小さくすることは精度の良い分別に有効であること、等を明らかにした。 令和4年度は、最も団粒化が顕著になり分別効率が低下する、高含水比・高細粒分含有率条件での分別効率の改善を目的に、改質材添加による影響を評価した。その結果、1) 生石灰は少量で大幅に通過割合を上昇させ、Mg系中性固化材も5%添加で同等の値まで通過割合を上昇させること、2) 通過割合の上昇と土の含水比低下に直接的な関係は見られず、分別効率の改善には他の要因が寄与している可能性が高いこと、3) 振動ふるいより回転ふるいの方が試料の撹乱が大きく固結分の解砕が促進されること、等が明らかとなった。 これらの結果から、高い分別効率の確保のためには、細粒分の多寡によらず含水比を極力下げておくことが有効であると言える。また、団粒化が生じやすい条件では改質材の添加や回転ふるいの採用が効果的である。
|