研究課題/領域番号 |
21K19870
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 拓 京都大学, 工学研究科, 教授 (10314981)
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研究分担者 |
深堀 秀史 愛媛大学, 紙産業イノベーションセンター, 准教授 (70617894)
野村 洋平 京都大学, 工学研究科, 助教 (30869730)
井原 賢 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授 (70450202)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | エネルギーフリー / 抗菌剤処理技術 / 機能シート / 金属担持繊維 / 光触媒 / 吸着材 / 回転ドラム式促進酸化装置 |
研究成果の概要 |
エネルギーフリーで持続的な排水中抗菌剤の処理技術の開発という挑戦の第一歩として、本研究では抗菌作用を付与した新たな機能シートの創成と促進酸化装置への展開を試みた。繊維に抗菌性を付与するため、イオン交換能を有する繊維に金属イオンを導入し、金属担持繊維を調整した。また、金属担持繊維を水に分散させるとともに光触媒、吸着材を任意の割合で配合してから抄紙を行うことで、機能性シートを調製した。長期的な排水処理ではシート表面での生物膜形成が懸念されるものの、Cu/HSZ/TiO2シートを搭載した回転ドラム式促進酸化装置を用いることで生物膜形成を抑制しつつ水中の医薬品を除去できる可能性が示された。
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自由記述の分野 |
水環境工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、ヒトや家畜に投与された抗菌剤の排出に起因する薬剤耐性遺伝子の伝播や多剤耐性菌の出現が世界的に懸念されており、排水に含まれる抗菌剤の分解技術の開発が喫緊の課題となっている。抗菌剤の分解には促進酸化処理が有効との報告があるが、消費エネルギーやコストが高いことに加えて、分解生成物の生態毒性が親物質よりも高い場合があるなど、解決すべき課題は多い。抗菌作用を付与した新たな機能シートの創成と促進酸化装置への展開を目指した本研究は、「エネルギーフリーで持続的な排水中抗菌剤の処理技術の開発」という挑戦的研究への第一歩となる点で有意義である。
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