エネルギーフリーで持続的な排水中抗菌剤の処理技術の開発という挑戦の第一歩として、本研究では抗菌作用を付与した新たな機能シートの創成と促進酸化装置への展開を試みた。繊維に抗菌性を付与するため、イオン交換能を有する繊維に金属イオンを導入し、金属担持繊維を調整した。また、金属担持繊維を水に分散させるとともに光触媒、吸着材を任意の割合で配合してから抄紙を行うことで、機能性シートを調製した。長期的な排水処理ではシート表面での生物膜形成が懸念されるものの、Cu/HSZ/TiO2シートを搭載した回転ドラム式促進酸化装置を用いることで生物膜形成を抑制しつつ水中の医薬品を除去できる可能性が示された。
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