本研究は、硫酸還元菌を用いた食品廃棄物処理技術と硫化水素を利用した硫化リチウム合成によるエネルギー回収プロセスの開発である。宇部市の消化汚泥を種汚泥とし、微粉砕食品スラリーを原料とした。リアクター内で硫化水素と二酸化炭素を捕集し、模擬食品廃棄物を2日ごとに供給した。90% H2Sガスおよび30% H2Sと70% N2の混合ガスで硫化リチウムの合成を確認したが、未反応物も検出された。硫化水素濃度は目標の30%に達していないが、10%の濃度は高いと考えられる。今後、反応ガス量の増加と反応時間の延長が必要である。今年度は昨年度の7%から11%の硫化水素濃度を達成し、低温合成が示された。
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