本研究では海洋堆積物中に保存された環境DNA分析が古代の生態系の理解するためのツールになりうるかを評価した。まず、沿岸環境の堆積物である高知県浦ノ内湾の6サイトから得られた堆積物(最大4m程度の深さ)からDNAを抽出し、18S rRNA遺伝子、およびCOI遺伝子のアンプリコンシーケンスを行った。その結果、150cm以深の堆積物では陸上植物由来のDNAが多く検出された。また、より深い堆積物(最大深度海底下650m)として世界中から得られた300の海洋堆積物中の18S rRNAを分析した結果、年代が10万年以下の堆積物において、広く真核生物のDNAが残存していることが示された。
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