研究課題/領域番号 |
21K19880
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
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研究分担者 |
芳賀 洋一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00282096)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 心音図 / 音響CT / 新型コロナウイルス / 肺 |
研究実績の概要 |
心臓、肺実質の2種類の組織から構成される単純胸部モデルにおいて、心臓の中心を点音源とする中心周波数50 Hz、持続時間100 msの心音が周囲の肺実質および胸郭を通過し、体表に装着した32個の心音センサで受信されるマルチチャンネル心音計測を想定した。心臓の音速を1560 m/s、肺実質の音速を40 m/s、胸郭の音速を1580 m/sと仮定したときに、心音の伝搬経路の音速を考慮し各センサで受信されるバーチャル心音信号をシミュレーションした。次いで、全バーチャル心音信号に逆問題の解法を応用することで、胸部の音速分布を再構成し、かつ点音源の位置が1点に収束するような計算アルゴリズムを確立した。 マルチチャンネル心音計測に用いる心音センサとして、医療用心音・呼吸音マイクロホンを使用し、8チャンネルのプリアンプで心音を増幅後、64チャンネル同時受信可能なオーディオインターフェイスを心電図トリガとともに解析用ワークステーションに入力することで、マルチチャンネル心音計測システムを構築した。また、市販品よりも高感度で薄型のプリアンプ付きMEMSマイクロホンを新規設計した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心音の伝搬経路の音速を考慮し各センサで受信されるバーチャル心音信号がシミュレーション可能であった。次いで、全バーチャル心音信号に逆問題の解法を応用することで、胸部の音速分布を再構成し、かつ点音源の位置が1点に収束するような計算アルゴリズムも確立できた。 新型コロナウイルスと世界的な半導体不足の影響で、導入を予定していたデジタイザーの納入が遅れたが、代用となるオーディオインターフェイスの納入が可能となり、マルチチャンネル心音計測システムの構築が可能であった。MEMSマイクについては基礎設計と試作を行った。
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今後の研究の推進方策 |
肺の部分的病変を想定した前年度よりも複雑な胸部モデルにおける心音伝搬をシミュレーションする。さらに、PVA(ポリビニルアルコール)でほぼ実物大の人体の胸部ファントムを作製し、内部に肺組織を模擬したスポンジを充てんする。球状のPVAファントム内部に防水型小型スピーカーを封入した心臓モデルで心音を発生させる。胸部ファントム上に32個の心音センサを設置し、システムの音響計測性能とともに、音速計算のアルゴリズムが正しいことを実証する。 周波数帯域20 Hz~10 kHz、S/N比60 dB以上、厚み1 mm以下を開発目標として、MEMSマイクロホンを新規開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症および世界的な半導体不足のためにプリアンプが購入できず、令和3年度分の予算を使用できなかった。令和4年6月までには納入される見込みである。
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