研究課題
挑戦的研究(萌芽)
各種炭化ホウ素ナノ粒子を親水性高分子であるポリグリセロールで被覆し、これを担癌マウスの尾静脈から注射し、腫瘍臓器と腫瘍、血液のホウ素(質量数10)の濃度を、迅速ガンマ線測定装置により測定した。その結果、構造や物性などに依存した非常に顕著な効果が見られた。特に、腫瘍中のホウ素(質量数10)の濃度は、そのまま、中性子線照射後の腫瘍成長抑制効果(薬効)に反映されることも明らかにした。
ナノ材料化学
腫瘍を標的とする薬物送達システム(drug delivery system)において、送達効率の向上は、非常に重要である。その中で、送達物資の構造や物性の影響がいかに大きいかについて明らかにした本研究の意義は、非常に大きい。また、長年、社会問題となっている癌の治療にも新たな考えを提供することとなり、その解決に大きく貢献することになると確信する。