本研究では細胞外小胞(EV)を利用した経鼻脳デリバリー方法の開発について検討を行った。検討に際して、粒子径100nm前後のEV、Small extracellular vesicle (sEV)、および粒子径30nm程度のEV、Extremely small EV(esEV)を対象のEVとした。sEVならびにesEVを経鼻投与したあとは肺、胃へ移行せず、脳に高効率に移行した。また、sEVとesEVの脳移行率には差はなかった。そこで、sEVを選択して脳内分布を観察したところ、脳の広範囲に移行し、主にミクログリアに取り込まれた。以上EVは経鼻脳デリバリーに有用であることを明らかとした。
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