令和4年度に調製した炭酸カルシウム多孔体のリン酸化を検討した。炭酸カルシウム多孔体を80℃の1モル濃度リン酸水素二ナトリウム水溶液に7日間浸漬した。粉末X線回折分析の結果、連通多孔体マクロ構造を維持したままで組成が炭酸カルシウムから炭酸アパタイトに変換されていることを確認した。 次に、調製された連通多孔性炭酸アパタイト人工骨を用いてウサギ大腿骨に形成したφ6mm欠損を再建した。術後4週目にウサギを安楽死させ、再建部を周囲組織と一塊に摘出した。マイクロCTによる全体観察および、固定脱灰して薄切切片を調製し、ヘマトキシーエオジン染色して病理組織学的検索を行った。 解析の結果、術後4週目でも試料の中央部まで新しい骨が形成されていることがわかった。また、多孔体骨梁表面に破骨細胞、骨芽細胞が認めれ、炭酸アパタイト人工骨が活発に骨リモデリングを受けていることが明らかになった。
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